見出し画像

テナントか路面店か

ここ何年も、近くの商業施設のテナントがどんどん空き店舗になったり
入れ替わったりしている。

商業施設には必ずスーパーが入っているが、施設の規模が大型であるほどスーパーの規模はそこまで大きくなく、小さめの商業施設だとスーパーの占める割合は大きい。
イオンモールでもららぽーとでも、中に入っているスーパーは郊外の商業施設のスーパーと同じくらいの大きさだ。
多分、スーパーはあまり大きくしても意味がなく、お客さんが中で迷ったり疲れたりするので、どこも同じくらいの規模感になっていると考えられる。

そして大型の施設にはテナント目当てで買い物に行くお客さんが多いが、小型の施設にはスーパー目当てで行くお客さんが多くなる。
つまり地方の小さな商業施設は、近隣の人が毎日の買い物として利用することが圧倒的に多い。

特に売り出しの日は、スーパー側は混んでいるのにテナント側は閑古鳥、なんていう日も多い。

テナントを出す時、当然集客は優位になると考えることが普通だ。
だから高い家賃を払ってでも出店しようと考える。

私がマネジメントしている店舗は、テナントも路面店も両方ある。
全体的に見て、コロナ前の数字に戻ってはいるが、中でも伸び率が良いのは、実は路面店だ。
一方、テナントの方は伸び悩んでいる。屋根付きの駐車場があり、買い物にも困らず、どんな天候でも傘要らずなのにも関わらず、だ。


会社が最後に路面店を出したのは13年ほど前になる。
路面店は、集客力をつけなければすぐに潰れてしまう。
どの店もオープン前から必死で営業活動し、紹介での集客を大きな柱としてきた。立地条件が悪いからこそ、頭も体も時間も使い、あらゆる方法を試し、試行錯誤してきた。
だから、路面店で長く活動してきたスタッフは体力がある。

商業施設に入っている店は、それなりに不利な点もある。
まずは商業施設そのものが廃業する場合は、放り出されてしまうというリスクがある。

また、営業活動においての制約が多いのも不利ではある。
細かなルールの中でしか活動できないのはいつも頭を悩ませる。
商業施設は、お客さまからのクレームを一番嫌うので、目立ったことをするとすぐに事務局の人が飛んでくる。

出店当初は、テナントに入っている他店舗の方からのクレームも多かった。
うるさい、目障り、開店前の行列が邪魔。
ちなみに、よくクレームを言ってきたアパレルのお店は、今月で撤退するらしい。そこの店主からは「こっちにもお客さん回してよ。若い人で頼むよ。」と言われてカチンときたのを覚えている。

ただ、テナントは、このようなマイナス面を引いても集客においては圧倒的に有利だ。
しかしそこに甘えて、日々の活動に手を抜くようなことがあると、結局あとから自分に返ってくるということだ。


簡単に手に入ると大事にしない。
苦労して手に入れたものは大事にする。
というのと似ている。良い悪いでなく、これは人間の脳の働きなのだと思う。

テナントでも路面店でも、やるべきことをやり続けるしかなく、どちらがいいというわけでもなさそうだ。






いいなと思ったら応援しよう!