第6回笹井宏之賞 応募短歌②
短歌14作
川辺にて男女五人が中流指す死体沈める算段かしら
縄跳びで空を飛ぶ夢見たのだと伝えた相手は誰だったっけ
ドラゴンが机の上に座ってる 手のひらサイズの暴れん坊が
今日だけは残念ながら会えません 十年前から予約があって
玄関で右から靴履くおまじない あれ左だっけどっちだっけ
後ろから君の喋り声がする きづかれるまであえて見ないよ
こっそりと見た君の8丸の中 どちらも顔が描きこまれている
これからもよろしくなんて幸運が席替えの後おとずれまして
テーブルの端に置かれた包丁を仕舞おうとする獲物を待ってる
クリームもつかず綺麗に立つイチゴ彼女はショートケーキのライバル
うわさでは棒でたたかれ割られるって ナイフ向けられスイカは思う
バナナにも事情があるのたまにはね道の途中で落ちてみたいの
夜の供だったらレモンが一番いい 目立つし敵の目にかけられるし
誰からも声をかけてもらえずに永い眠りに身を委ねて
2023年の第6回笹井宏之賞に応募していた50首連作の、11首から24首までの掲載です。
25首以降も今後分割して公開します。
連作タイトルは「空想の世界だけが友達」でした。
同賞に応募した1首目から10首目はこちら。
他につくった短歌はこちらにまとめています。
見ていただきありがとうございました。