一途彩士

短歌や掌編の公募に出しています。記録付けや、作品の投稿を行います。 エブリスタ→https://estar.jp/users/160715568 カクヨム→https://kakuyomu.jp/users/beniaya

一途彩士

短歌や掌編の公募に出しています。記録付けや、作品の投稿を行います。 エブリスタ→https://estar.jp/users/160715568 カクヨム→https://kakuyomu.jp/users/beniaya

最近の記事

  • 固定された記事

僕たちの知らない場面《コマ》で #推し短歌 応募作品②

僕たちの知らない場面で 穏やかに微笑む相手は私じゃない 隔たる壁はそれほどぶあつい チョコだって料理次第でまずくなる そうならないのは彼女の魔法 ささやかな愛をくださいそれか落とした消しゴムを拾ってください 「待ってる」と送りだせる心って得難いと大人になって知る 幸せになってください僕たちの知らない場面で構わないから * とある漫画の好きな人への短歌です。 #推し短歌 応募作品①はこちら。

  • 固定された記事

僕たちの知らない場面《コマ》で #推し短歌 応募作品②

マガジン

  • ショート/小説
    16本
  • 短歌
    14本
  • 2023年
    48本

記事

    140字小説コンテスト 秋の星々「長」 時計・最新式・前髪

    140字小説コンテスト、秋の星々2024 テーマ「長」に応募した作品です。3編! 1 彼の家に行くと必ず柱時計の鐘の音を耳にする。その時計が鳴らす音は女性の声に似ていた。 ぽん、ぽん、ぽん…… 今日も鐘が時を告げた。その間だけは、どれだけ話しかけても彼から返事はない。彼と過ごす時間が長くなるほど鐘の音は数を増す。どうすれば、この音から彼の心を奪えるのだろうか。 2 魔王討伐隊の旅は長く険しい。魔国に入ってからは暗闇が続いていて、俺たちの体は疲弊していた。足取りが重くな

    140字小説コンテスト 秋の星々「長」 時計・最新式・前髪

    2024/10/23 秋の星々(140字小説コンテスト2024) 3編応募

    2024/10/23 秋の星々(140字小説コンテスト2024) 3編応募

    2024/10/20「せきしろの自由律俳句」第93回応募

    2024/10/20「せきしろの自由律俳句」第93回応募

    2024/10/13 短歌ください 「喧嘩」 応募

    2024/10/13 短歌ください 「喧嘩」 応募

    月が、欠けようと(掌編小説)

     次の誕生日には月がほしい。  昨年私がそう言ったのを覚えていて、彼は実際に月まで取りに行ってくれたらしい。  月の住人と交渉して、月を丸ごと持ってくることは叶わなかったものの、月の欠片を渡された。それがその欠片だよ、と彼は笑った。 「ありがとう……」  嬉しい。私のこぼした言葉を覚えていてくれたのも、遠い月まで足を運んでくれたのも。最高の誕生日だった。それだけであれば。 「ふふ。あ、疑ってる? 本当に、本物の月の一部だよ。ね?」  そうやって彼が話しかけたのは、

    月が、欠けようと(掌編小説)

    2024/09/29 書き出しだけ小説(公募ファンクラブ) 第24回「昼食」 応募

    2024/09/29 書き出しだけ小説(公募ファンクラブ) 第24回「昼食」 応募

    待ち人よ 天使(掌編小説)

     月明かりがきれいな晩のこと。私の住処に見慣れぬ老人がやってきた。男はぽつぽつと自身のことを話し始めた。 「若い頃、わたしは無謀な旅に出た。これほど老いてしまうまでかかるとは想像していなかったが……それを含めてわたしは浅はかだったのだ」  老齢の男は私の前で、わずかに悔いるような表情で言葉をつむいだ。 「天使を探し出そうとおもったんだ。噂を頼りに北へ、東へ、ときには危険な場所にだってためらわず足を運んだ」  過酷な旅だったのだろう。顔のしわからは経験が、服装から覗く手

    待ち人よ 天使(掌編小説)

    消費、消耗(掌編小説)

     バナナの皮が真っ黒だ。  テーブルに放置されて無残な姿になったそれらを見ながら、途方に暮れる。女友達との旅行から帰ってきてすぐの光景がこれだとは。料理は面倒だけど、バナナだった食べるって言ってたから。だから先週買って、私がいない間もちゃんと何かは食べるんだよって置いておいたのに。帰ってきて、どうして手つかずのバナナの山が残っているのか。  この状況から考えられるのは一つしかない。どうせどこかの女の家で手料理でも作って貰っていたのだろう。ここに帰ってすらなかったのだ。ああ

    消費、消耗(掌編小説)

    夢の中まで忘れもの(掌編小説)

     気持ちよく寝ていたところに体を揺さぶられ、うっそりとまぶたを開く。 「眠れない」  彼女は悪夢でも見たように苦しそうな表情で俺が目覚めるのを待っていた。 「羊でもかぞえなよ」 「もうとっくにしたよ」 「そう……羊はどう? 元気?」 「めちゃくちゃ飛び跳ねてる。牧場も満員になっちゃった」 「じゃあしょうがないなぁ」  彼女の限界をさとり、仕方なく上半身を起こす。彼女の頭を胸元に引き寄せて、後ろに回した腕で彼女の背中をさすった。 「ねむれない……ねむれないの」 「うん」  こも

    夢の中まで忘れもの(掌編小説)

    第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部 連作部門に応募した恋愛短歌20首 「二心隠し」 https://kakuyomu.jp/works/16818093078926382514

    第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部 連作部門に応募した恋愛短歌20首 「二心隠し」 https://kakuyomu.jp/works/16818093078926382514

    ホットコーヒー(掌編小説)

     喫茶店に呼び出されたとき、嫌な予感はあった。だから店内に入って彼の姿を見たら、ああ終わりなんだなって悟った。 「ホットコーヒーひとつ」 「俺はいいや」 「……そう」  頼んだコーヒーが届いてすぐ、彼は口を開いた。 「結婚するんだ。だから今日で終わり」  彼はそう言いながら、面倒くさそうに自分の首にかかったネックレスを手でもてあそんでいた。シルバーのチェーンの先に小さなダイヤモンドがつけられた、彼には少し似合わない洒落たもの。 「それをくれた人?」 「そう」 「そっか」  は

    ホットコーヒー(掌編小説)

    うそつき!(掌編小説)

     ここまでことがうまく運ぶとは思わなかった。  彼氏が最近夜の街で女漁りをしている……とまではいかないけれど、好みの女の子を口説いては毎晩バーで遊んでいるらしい。  と、たまたま共通の知り合いに聞かされ、最近放っておかれて不満だった私は彼に一泡吹かすことにした。ターゲットを口説いていたら実は彼女でしたってドッキリだ。  彼の好みはよく理解している。私とは二百度くらいちがうタイプ。それを目指して変装すればあっさりだませた。声をかけてくるまでは何か飲んでようと思っていたのに、バー

    うそつき!(掌編小説)