網走湖を望む崖の上で・・・
網走湖を望む崖の上で・・・
(遠い日5月8日)
湖水を望む斜面には
春も一足はやい様ですね
弾力を戻した黒土は
もう陽炎の季節です
対岸のリンゴ園も
間もなく長い眠りから覚め
新芽たちのむせるような
息吹に萌えるでしょう
洋々と広がる網走の湖に風が走り
遠くかすむ斜里岳・藻琴山は
まだ雪冠を頂く
僅かに頂きを見せる雌阿寒岳は
今も活動を止める事をせず
噴煙が青空に溶け込んでいます
遥か眼下の道路には
風の温みの戻りを待つ子供達の歩く姿
この広大な天地の下に
確かにあなたが居た
人間の存在の不確かさも知らずに
若い生命を謳歌したものですね
あまりにもに明るい北国の空に
それほどの早い終焉を
予感させる物はなかった
幾十度目かの春を迎え
あなたの逝った季節になります
今年も秘かに祈りましょう