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イチロウが顧客解像度を高めることを大切にしている理由

◼️準備

24時間の保険外訪問介護「イチロウ」を運営しているイチロウ株式会社の水野です。
今日は、スタートアップとしての顧客解像度を高める重要性と難しさについて、介護領域ならではの事例を踏まえて書いていきます。

◼️顧客解像度を高めることの重要性

事業を進める上で顧客解像度を高めることが重要だと様々な書籍でも言われています。

イチロウというサービスを5年続けてきた中で、私も同じ思いを強く抱いています。むしろ事業を始めたばかりの頃と今では理解の深さが変わったと思っています。

まだ誰も踏み込んでいない市場で挑戦するスタートアップにとって、顧客解像度の高さは命のようなものです。
なんせ、顧客の課題も、それを解決する最適なソリューションも、集客方法やオペレーションなど全てをゼロから解き明かしていかないといけないからです。

介護の分野では、保険内の介護サービスは介護保険制度に則り、行政へ開設の申請をして、必要な什器や人材を確保し、ケアマネジャーへ営業をして集客をし、ルールに則ってサービスを提供し、国と顧客に料金を請求するという、既に敷かれたレールをうまく走っていくことで事業を成り立たせることができます。
しかし、保険外の介護サービスはそうはいきません。介護保険サービスという選択肢がある中で顧客が何に困っていて、どんなソリューションを求めているかは介護保険制度は教えてくれず、自分たちで探っていくしかありません。

インターネットで保険外サービスを調べると、介護保険制度では受けられないサービス内容が出てきます。

しかし、イチロウを5年間続ける中では、長時間の介護、早朝や深夜など時間帯の介護、急な介護など、インターネットには載っていない目的を求められるケースが多い状況です。

この事実に気付くには、実際にサービスを求めている顧客を徹底的に理解する必要があります。しかし、忙しいという理由でなかなか現場へ足を運ぶことができなかったり、顧客を理解しているつもりになってしまったりと、真に顧客を理解するに至る過程で落とし穴がたくさんあります。

ちなみに、私が顧客解像度を高めるためのバイブルとして活用している書籍を載せておきます


◼️当事者になりきれなかった経験

顧客解像度を高めるためには、その当事者になることが近道だと思っています。
新しいフリマアプリを作りたいと思ったら、実際にフリマイベントでお店を出したり、メルカリなどのフリマアプリを使って購入と出品を体験してみるなど、当事者になってみることで課題感を理解することができます。

しかし、介護分野においては当事者になることは簡単ではありません。
ここで、私が体験した介護ならではの当事者になることの難しさについて触れたいと思います。

2023年6月24日に、イチロウの由来でもある私の祖父のイチロウが脳出血で倒れました。
その当時、愛知県名古屋市に住んでおり、仕事の都合で東京に引っ越すことを考えていました。急に祖父が倒れたことで、予定通り東京に引っ越すか祖父の家がある岐阜県多治見市に戻るかを悩むことになりました。
結果としては、在宅介護を支援する「イチロウ」を始めた私が自分の祖父の介護をしない選択はないということで、祖父の家から車で5分の岐阜県多治見市に引っ越すことを決めました。
2023年10月7日に祖父が退院してくるという予定が決まり、ケアマネジャー探しや自宅の介護環境を整える準備をスタートさせました。

2023年10月7日に祖父が無事退院し自宅へ帰ってきました。
退院日当日は仕事の都合でいけませんでしたが、退院日の週末に祖父の自宅へ様子をみに行きました。車椅子生活ではあるものの元気そうな表情を見ることができ、両親に「何かあったらサポートするからいつでも言ってほしい」と伝えて帰りました。
その後両親から介護についての相談をされることはほとんどなかったため、私としては何事もなく在宅介護が進められているのだろうと思っていました。
しかし、たまに会いにいくと、介護をする環境が変わっていたり、両親の大変なエピソードを聞くこともあり、徐々に在宅介護に問題が発生していることに気付き始めました。積極的に相談をしてもらえない状況にモヤモヤしながら数ヶ月がたちました。
そして、2024年3月10日に祖父は自宅の近くの介護施設に入居することになりました。

祖父の家から車で5分の距離に住んでいながら、実際に介護をする両親の苦労を支えること・理解することができないまま、祖父の在宅介護は終わってしまいました。
この時、いくら近くに介護に精通した息子がいたとしても、介護のことは相談しにくいと思ってしまうこと(直接は聞けませんが迷惑をかけないように配慮してくれていたんだと思います)、本当の介護の辛さは目の前で介護をする当事者、今回は私の両親に留まってしまうことを学びました。

◼️組織的に解像度を高めていく取り組み

今回祖父の介護を近くで見た経験からも、イチロウのような「介護分野×個人向けサービス」を作る時に、年齢的にも当事者になることは難しいと認識しています。
しかし、それを理解した上で、イチロウ社内で作成するメソット(推奨される行動)のトップに「解像度を高める努力」という項目を設け、社内で解像度を高める行動を推奨していまする動きを促しています。そして、代表である私が率先して顧客へのインタビューを実施し、サービス設計の改善に活かしていく動きをとっていくことで、困ったら顧客へ聞いてみよう、仮説を検証してみようという文化を作っています。
我々イチロウチームは、常に顧客の声を聞き、苦労や苦悩に共感し続けることで顧客理解を深めていくことで、介護をする家族の課題を真に解決するサービスに辿り着きたいと思っています。

最後に、そんな顧客理解に命をかけているイチロウでは、志を共にする仲間を募集しています。

少しでも関心がある方は、どしどしご連絡いただけると嬉しいです。

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