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「世界観戦争のバフムト」という話
「世界観戦争のバフムト」という話
どうしてバフムトが激戦地になったのでしょうか。
平和を祈りつつ、少し考えてみましょう。
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ようこそ。門松一里です。静かに書いています。
という話は、調査資料(エビデンス)を使った「思考の遊び」――エンタテインメント(娯楽)作品です。※虚構も少なからず入っています。
※本当はノワール作家です。
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バフムトは軍事的な意味がないので、撤退せよという話があります。
戦争は騙し合いなので、どこかに意図がないと無理に継戦しません。
人員と弾の無駄ですから。
攻めるより守るほうが有利です。三倍の兵力で撃つ必要があります。
※一説には五倍とも。それだけ攻めるのは大変です。
攻める側は、敵のもっとも弱い部分に、一点集中して最大火力で攻撃します。
守る側が有利だとしても、いつどこから敵が攻めてくるか分かりません。
すべてを守ることはできないので、その弱い部分を隠そうとします。
では、さほど軍事的には重要でないとされるバフムトを、ロシアは攻撃し、ウクライナは必死で守ろうとするのでしょうか。
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岡部芳彦(神戸学院大学教授)「実はこのバフムトという町はロシア革命が起こった後(1917年に)ウクライナが初めてウクライナ国民共和国という独立国家になった時に、ドンバスで初めて今のあのウクライナの2色旗が上がった場所なんですよ」
ゼレンスキー大統領は、バフムトの兵士が記名した国旗を米国連邦議会に寄贈しています。
プーチンにとってみれば許しがたい行為でしょう。米国と戦争していると言っても過言ではありません。#blackjoke
ドンバス(ドネツィク州・ルハーンシク州)で初めてウクライナの国旗が掲げられたので、ウクライナがロシアの一部であるという世界観のプーチンとしては是が非でも「バフムトを落とす必要があった」訳です。
でもこれは、東アジアの思想そのままです。#blackjoke
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世界観戦争は絶滅戦争ですが、その世界観に東アジアの思想が入っていることが、欧米の人たちには理解できないのでしょう。
また、それが異質であることをスラヴ人は自覚していません。
スラヴ人は、モンゴル帝国に支配されていた約240年間のタタールの軛(くびき)を屈辱と感じています。
だからこそ、汎スラヴ主義という、スラヴ民族は偉大だったという架空の思想に動かされるのです。
これは政治的な思想です。ロシア連邦は多民族国家です。それが証拠に、1917年のソビエト連邦では汎スラヴ主義を否定しています。
ソ連は宗教も否定しています。とても合理的な国家でした。
けれど、ヒトという生物は合理的ではありません。
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「1917年11月7日、ウクライナ中央議会が第三回人民議会で、ウクライナ人民共和国の成立を宣言した際、ドンバスで初めてバフムトに黄色と青の国旗が掲げられた」抄訳
岡部芳彦教授が語るように「歴史的経緯によって」バフムトにこだわる理由があるとするなら、ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチンの世界観とも一致します。
ただ、この世界観はプーチンの敵であるナチスの世界観の一部でもあります。
また、西洋にはドラゴンに敵対する英雄はやがてドラゴンになるという考え方があります。
プーチンにしろ、KGBのセルゲイ・イワノフにしろ、レニングラード大学(現サンクトペテルブルク大学)出身のエリートで、かなり賢いです。
賢いからこそ、自身を疑うことにあまくなります。
その思想の根底に、東アジアの思想があると考えるなら、プーチンの世界観の同一性が確かめられます。
それは思考の否定ができないことを意味します。#blackjoke
ご高覧、感謝です。 サポートによる調査資料(エビデンス)を使った「思考の遊び」――エンタテインメント(娯楽)作品です。 ※虚構も少なからず入っています。