【レビュー】Anker PowerExpand Elite 13-in-1はM1 MacBook Air/Proにおすすめのドッキングステーション
Ankerのドッキングステーション「PowerExpand Elite 13-in-1」をレビューします。
こんにちは、M1 Macbook Airユーザーの編集部です。
Apple独自設計のチップを搭載した「M1 MacBook」シリーズ…。省電力、かつハイパフォーマンスを実現しており、ノートPC界の"ゲームチェンジャー"とまで言われていますよね。
かくいう私も、高スペックだと自負していたiMacからM1 MacBook Airに乗り換えてしまいました。
そんなM1 MacBookシリーズですが、動作や充電の持ちには全く問題がないものの、筐体は旧世代のままであり、自宅でクラムシェルモードで作業するときにポートの数が少ないのが不満に感じていました。
そこで役に立つのが「ドッキングステーション」と呼ばれる機材です。
中でもAnkerの「PowerExpand Elite 13-in-1」というドッキングステーションは、MacとThunderbolt 3ケーブルを1本接続するだけで、USBポート・HDMI端子・有線LANポートなどを拡張できる優れたアイテムになっています。
ということで今回は、Ankerのドッキングステーション「PowerExpand Elite 13-in-1」をレビューしていきます。
Anker PowerExpand Elite 13-in-1とは?(概要・スペック)
Anker PowerExpand Elite 13-in-1は、モバイルバッテリーや充電器で有名なメーカー「Anker」が販売している高性能なドッキングステーションです。
Ankerは以前から、Macなどのパソコンを拡張できるUSBハブを多数開発してきたのですが、どれも1万円以下のお手軽なUSBハブばかりで、機材を接続しまくって自宅でガッツリ作業をする人にとっては、絶妙にポートが足りませんでした。
そこで多数のポートが必要な人は「ドッキングステーション」と呼ばれる、USBハブを超強力にしたようなアイテムを導入していくわけですが、この分野では「CalDigit TS3 Plus」が性能・安定性の面で優れており、ほぼこの商品一択のような感じでした。
そんな中、CalDigit TS3 Plusと似たスペックを持ち、価格をできるだけ抑えたライバルとなり得る商品として「PowerExpand Elite 13-in-1」が登場しました。
なお、少しスペックを抑えた「PowerExpand 13-in-1」という「Elite」が付かないモデルも同時発売されています。
Anker PowerExpand Elite 13-in-1と、CalDigit TS3 Plusとの違いを比較
AppleのMacと相性のいいドッキングステーションとして「CalDigit TS3 Plus」がよく挙げられていましたが、「PowerExpand Elite 13-in-1」は明らかにこの製品を意識して作られていますよね。
しかし、搭載しているポートの種類など、スペックに微妙な差が見られます。
そこで、「Anker PowerExpand Elite 13-in-1」と「CalDigit TS3 Plus」の端子やスペックを比較し、両者の違いをまとめていきます。
Anker PowerExpand Elite 13-in-1の端子・スペック
前面ポート
・PD対応USB-Cポート (10Gbps, 5V=3A / 9V=2A)
・データ転送用USB-Cポート (10Gbps, 5V=0.9A) ※充電非推奨
・USB-Aポート (5Gbps, 5V=1.5A)
・SDカードスロット (SD 4.0 UHS-II)
・microSDカードスロット (SD 4.0 UHS-II)
・3.5mmオーディオジャック
背面ポート
・Thunderbolt 3 アップストリームポート (40Gbps, 最大出力85W, 5V=3A / 9V=3A / 15V=3A / 20V=4.25A) ※ノートPCの接続用ポート
・Thunderbolt 3 ポート (40Gbps, 最大出力15W, 5V=3A)
・データ転送用USB-Aポート (5Gbps, 5V=0.9A) × 3 ※充電非推奨
・HDMI 2.0ポート (4K 最大60Hz)
・イーサネットポート (10/100/1000Mbps)
・DC入力ポート (20V=9A)
サイズ:125.8×88.5×41.9mm
重さ:490g
価格:29,990円
CalDigit TS3 Plusの端子・スペック
Thunderbolt™ 3 x 2
DisplayPort 1.2 x 1
USB-A 3.1 Gen 1 (5Gb/s, 1.5A, 7.5W) x 5
USB-C x 2
USB-C 3.1 Gen 2 (10Gb/s, 1.5A, 7.5W) Rear x 1
USB-C 3.1 Gen 1 ( 5Gb/s, 1.5A, 7.5W) Front x 1
SDカードリーダー(SD 4.0 UHS-II) x 1
光デジタルオーディオ (S/PDIF) x 1
ギガビットイーサネット x 1
アナログオーディオ入力(ステレオ) x 1
アナログオーディオ出力(ステレオ) x 1
サイズ:131.0×98.44×40.0mm
重さ:470g
価格:33,000円
Anker PowerExpand Elite 13-in-1と、CalDigit TS3 Plusの違い
Ankerが優れている点
・microSDカードが直接挿さる
・HDMIポートがあり汎用性が高い
・前面のオーディオジャックが入出力兼用
・価格が安い
CalDigit TS3 Plusが優れている点
・DisplayPortがある
・最大出力が87W
・背面のUSB-Aが1つ多い
・光デジタル出力端子がある
どっちを買おうか迷っている人は、「DisplayPort」「光デジタル出力」が必要ならCalDigit。「HDMI」「microSDカードスロット」が必要、または値段が少しでも安い方がいいならAnkerを選ぶと良いでしょう。
Anker PowerExpand Elite 13-in-1の外観と付属品
Anker PowerExpand Elite 13-in-1の内容物は以下のとおり。
・ドッキングステーション本体
・ACアダプター
・Thunderbolt 3ケーブル (約63cm)
・取扱説明書
・カスタマーサポートカード
Thunderbolt 3ケーブルが付属してくるのはありがたいですね。
本体外観です。旅行などで使うキャリーケースのように表面に凹凸があります。
接地面積が少なく、置き場所との間に空間ができるので、放熱性にも優れていそうです。
裏面には何もありません。
サイドのフチは鏡面仕上げになっていて高級感があります。
前面は頻繁にアクセスするポートが必要なだけ配置されており、使いやすそうです。
文字の表記は、縦置きしたときにちょうど良く見えるようになっています。
裏面の端子です。一直線で配置されていています。
端子と端子のスペースも広く取られているので、ノールックで裏面に手を伸ばした時でも付け外しがしやすいのではないでしょうか。
底面にはゴムのシートが貼られています。
縦に置いた場合でも、ゴムのシートのグリップが効いていてかなり安定感があります。
接続に必要なACアダプターは約627gと、とても大きく場所を取ってしまいます。
できればもう少し小さくして欲しい所ですが、85Wの電力を供給するには仕方がないのでしょうか。
Anker PowerExpand Elite 13-in-1は、計13個ものポートを拡張することができる
「Anker PowerExpand Elite 13-in-1」の特徴は、やはり何と言ってもケーブル1本を接続するだけで13個ものポートを拡張することができる点にあります。
しかも汎用性の高いHDMIポート(最大4K60Hz)を搭載しているのは評価が高いですよね。
microSDカードを直で挿せるのも助かる人が多いのではないでしょうか?
個人的に「CalDigit TS3 Plus」の光デジタル出力は必要なく、DisplayPortよりもHDMIの方が良かったので、本当に「こういうのでいいんだよ」というドッキングステーションだと思いました。
Anker PowerExpand Elite 13-in-1は、シングルモニターだと5Kの出力が可能
安いUSBハブではなくドッキングステーションを選んだ理由でもあるのですが、「PowerExpand Elite 13-in-1」はシングルモニター(PCディスプレイを1つだけ接続している時)だと最大5Kの出力が可能です。
私は「34WK95U-W」という5K×2Kの34インチウルトラワイドモニターを使用しているのですが、最大出力4Kのものだとウルトラワイドの領域が使えず、単なる16:9の4Kモニターとしてしか動作しないんですよね。
したがって、安いドッキングステーションではなく、5K出力ができるAnkerの「PowerExpand Elite 13-in-1」を選ぶ必要がありました。
結果としては、完璧に5Kを出力してくれています!
私は「HiDPIの2560×1080」という解像度に設定しています。例を挙げると、5Kの解像度をフルHD+ウルトラワイドの領域にミチミチに詰め込んだイメージで、ドットの粗が見えず、とても精細な表示をしてくれています。(簡単にいうと4Kモニターの横が伸びた感じ)
もちろん、「LG UltraFine 5K Display」のようなウルトラワイドじゃない純粋な5Kモニターにも対応しています。
Anker PowerExpand Elite 13-in-1は、クラムシェルモードでの使用に最適
Macとケーブル1本で接続するだけで充電からポートの拡張までできるので、特にMacBook Air / Proをクラムシェルモードで使用するのに最適だと思いました。
普段は「PowerExpand Elite 13-in-1」経由で大画面のモニターや外付けHDDに接続し、外で作業するときにはケーブルを1本抜くだけで持ち出すことができるという最強のセットアップを組むことができます。
今までだとMacBookの性能が低かったり、発熱ですぐにファンが大音量で回転したりして、クラムシェルモードで使用するのはあまり現実的ではありませんでした。
これもM1チップのおかげでMacBookの性能が飛躍的にアップしたからできることですよね。
私はiMac 27インチ(late 2015 Core-i7 メモリ32GB)と、MacBook12インチ(2017 Core-m3 メモリ8GB)の2台持ちをしていて、それぞれにアプリをインストールしたり双方のデータのやり取りをしたりするのが面倒だったのですが、ようやく解放されることができました。
M1 MacBookとAnkerの「PowerExpand Elite 13-in-1」を組み合わせることで、ノートPC1台で自宅でも外出先でも快適に作業できるという、あこがれていた夢のセットアップが実現しました。
Anker PowerExpand Elite 13-in-1は、MacBookシリーズを外部ディスプレイで使う人におすすめ
シングルモニターだと5K60Hz、デュアルモニター以上だと4K60Hzで動作するので、MacBookシリーズを外部ディスプレイに接続して使う人に特におすすめです。
USBポートの数が増えるので、外付けHDDやお気に入りのマウス・キーボードなどのあらゆるデバイスを接続することができますし、有線LANケーブルを使うことで安定したネット環境を構築することができます。
作業環境を快適にしたい人はぜひ買うべきだと思います。
Anker PowerExpand Elite 13-in-1は、4K(60Hz)や5Kの解像度が必要ない人にはおすすめしない
フルHDやWQHDのモニターを使っている人、もしくは、4Kだけど30Hzで十分な人であれば、わざわざ高価な「Anker PowerExpand Elite 13-in-1」を選ぶ必要がないかもしれません。
USBポートの数は減ってしまいますが、数千円から購入できるもっと安いドッキングステーション、USBハブが存在しています。
Anker PowerExpand Elite 13-in-1の評価、レビューまとめ
以上、Ankerのドッキングステーション「PowerExpand Elite 13-in-1」をレビューしました。
価格が29,990円と、CalDigitと比べると安いものの気軽に買える値段ではないですが、頻繁に買い換えるものではなく、一度買うとMacを買い替えてもずっと使えるので、長い目で見ると元が取れるのではないかと思います。
MacBookなどのポートを拡張したい人は、ぜひチェックしてみてください。