死ぬほど美味しい食べ物
家の周りや、斜面、全てが真っ白な世界が広がっています。
ここは紀州、梅の産地。
梅の花が真っ盛りの季節がやってきました。
私は、この清楚でデリケートな白い花
控えめな甘い香りが大好きです。
「おーい!何しやんな!?散歩か?」
おじさんに話しかけられる。
勤め先のJAを退職し、残りの余暇は梅を売ってゆっくり暮らす。
そんな人が、この地域には多いです。
(元JAオジサンて、皆同じ顔に見える。誰だっけ?)
「今日はあったかいさけ、蜂がようさん飛びやる」
ブンブン羽音がし、風が吹けばハラハラと花びらが舞い散る。
「花を楽しめるのは、今日か明日でおしまいや!」
そっか、
「じゃあ、カメラ取りに家に帰ってくるから、戻ってきて梅林入って撮影していい?」
「かまんよ!花散って、蜂がおらんようになったら、次は消毒せなあかんから。撮るんなら今やよ。」
そっか、消毒って一年に何回するん?
「4回」
「蜂が完全に、いんでからやないと消毒はできへんね」
※いんで=立ち去って
「少しでも、蜂にかかると死んでしまうさけ」
農薬・消毒・化学肥料
樹木の健康、果樹のクオリティーを保つために使用するのだそう。
おじさんは古巣のJAからのレクチャーを受け
忠実に再現し、美しい梅林を保っています。
この地域で行っている育成スタイルが
どれだけ無害で、必要なものなのか、
詳しくは、私にはわかりません。
春になれば、ミツバチが飛び回る風景。
これ、自然現象だと思ってます?
私の住むこの田舎の梅林に飛び回る「蜂」たちは
ほぼ、養蜂家からのレンタル商品です。
西洋蜜蜂:ひと月7千円。
全然、自然じゃない。
これがリアル世界。
(レンタルダンゴムシやレンタルてんとう虫 なんかが登場する時代がくるのでは? レンタル微生物とか。)
昔から住んでる「日本蜜蜂」は私がこの地に越してくる3年前あたりから、「ほぼ見かけなくなった…」と職場の大工さんが言ってた。
10年ほど前から「蜜蜂が原因不明の行方不明」と世界ニュースになり、
日本の田舎では起こり得ない、別世界の話だと思ってたけど、
とうとう現実としてやってきた。
昔から日本に生息する「日本蜜蜂」
西洋蜜蜂とくらべ、体は細く、繊細な彼らは
民家のには近寄らず
山の野花の蜜を好んで集め、ひっそり暮らします。
ふと山をみあげる。 針葉樹ばっかり。
ほぼ、スギとヒノキで埋め尽くされたこの地域の山々の事を
通称「緑の砂漠」といいます。
針葉樹は花粉を飛ばすが、蜜はありません。
そんなこんなで、手に入る
虫が「死ぬほどの 美味しい食べ物」は日本ではメジャー。
でも一人だけ、
たった一人だけ、完全オーガニックな梅栽培をしている梅農家さんと
友達になることができました。
「てらがき農園」
https://www.mukasiume.com/nouen/1-1.php
メジャーな育成スタイルの
1/10の収穫量。てま。
この覚悟、わかりますか?
それでも、彼女が伝えたいことって
「みんな、生きてほしい」
て事なんじゃないの?
死ぬほど美味しい より
「生きるほど美味しい」がいい。
そして、その道は必ずある。
みんなで生きようぜ!
「てらがき農園」の8つの約束
https://www.mukasiume.com/nouen/2-2.php