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英語はモノに対して常にカテゴリー分類する ー日本語と英語のモノに対する認識の違い 冠詞と名詞について4ー

英語はモノに対して常にカテゴリー分類する

どういう事かと言うと
日本語は、一人称視点だから、モノは目の前にあって、それは何?と言う認知。
しかし、英語は、俯瞰視点ゆえに、モノに対して、カテゴリー分類し、その中のどれ?という意識が常にある。

上のルーレット。概念的に、aの位置を定めたら、幾ら回しても、aの位置に来るモノを指すのが"a"で不定冠詞。
一方、"the"で、そのカテゴリーから、7を区切って特定したら、ルーレット回してどの位置に行っても、7をtheで特定したので、7は7。定冠詞。
日本語英語で、theは「唯一の」と説明されることが多いですが、「唯一」は、そのカテゴリー内の中での唯一ということ。そうしないと、固有名詞は唯一なので混合してしまうのです。ワナがまたひとつ。

関係代名詞の制限用法を用いて冠詞の説明します。
a nounで単元(モノの認知の最小単位、詳細は下線リンクにて)だから、聞き手も判る。それをあえて関係詞でカテゴライズ。よって、関係詞以降は、そのカテゴライズした理由で、その中の一つという意味。つまり、カテゴライズしたモノ達は、その意味で皆同種ということ。
一方、theは、"a"と違って、あるカテゴリーの中で、何かの理由で指定し、区切り、特定している。だから、その注目した理由が必要。文脈か、それとも一文の中なら関係詞などで。
したがって

「山田さんは頼れる人です」

→日本人は一人称視点のため、自動的に身近にいる人の中でという認識になる。しかし、英語は常にカテゴリーの中の!という認識があるので

Mr. Yamada is a man you can rely on.

→と言う英文は、頼れる人というカテゴライズした人たちの中の一人。先のルーレットで言えば、そのルーレットは全て頼れる人(でカテゴライズしたということ)。

Mr. Yamada is the man you can rely on.

→では、人類というカテゴリーの中で、頼れる唯一の人。上のルーレットだと人類全て(つまりmanであるとnounでラベル化されたカテゴリー全て)。theは、文脈等でカテゴリーを狭めないと、全宇宙の中でという事になる。が、それでも、あるカテゴリーの中で(nounでラベリングされた)です。
と言うことで、この英文は成立しにくい。会社組織、クラス内(日本語はカテゴリー認知しないので自動的に、この様な「身近な」、となる)とかの文脈があれば、そのカテゴリーの中でとなるから成立可。

This is the house that Jack built.
This is (a / the) house that I was born in.

前者は家と言うカテゴリーの中で、ジャックが建てた家がコレ(=これのみ。/日本人としてどうしても、自動的に身近な、と言う認識になり、今、目の前の家になってしまう。英語でのすべての家と言うカテゴリーの中で、と言う認識になりませんが)。か文脈によって、この地域かとかになる。

後者はtheしか成立しない。"a"は、「私が生まれた家」とカテゴライズした家々の中の一軒家と言うことだから、生まれる家は一軒しかないから不可。

theは家というカテゴリー。aは生まれた家でカテゴライズ

ロス典子著「ネイティブ感覚で冠詞が使える」p131
「英語の世界では a/an を使うと背景にはいくつか、同じ物を同時にイメージします」、「 a/an を使うためには、ひとつだけのもの、一人だけ、ではなく、背後に幾つかある、何人かいることを思い浮かべることが必要なのです」というのはこう言うことなのでしょう。
※ちなみに、このように関係代名詞は先行詞を説明するものではなく、先行詞をカテゴリー、カテゴライズする文法なので、その必要のない固有名詞(全宇宙で一つしかない)は先行詞になり得ないのです。それは2つ以上ないと、ひとくくりのカテゴリー分類が出来ないからです。


このように、a 単数名詞は同一カテゴリー分類した中の一つということで、総称にも成るのです。
一方、the 単数名詞での総称は、あるカテゴリーの中でのコレ!と特定するので、総称になることもあるのです。the cat, the dogは生物、哺乳類というカテゴリーの枠組みとしてとらえると、猫や犬その種、と言う具合に。theの総称は硬いとか、学術的な響きがあると言うのはそういった理由から。
さらに、無冠詞複数名詞は、限定詞が無いから、頭の中の概念でということで、これも概念的な意味で総称に。


the east, the west, the north, the south
方角というカテゴリーの中で、それぞれの方角はそれしかない、唯一。

the sun, the moon, the earth
古・中時代、99.99%の人は、空を見上げて動く天体は、地球を中心とした、これらしか無い(知らない)。そういったカテゴリーの中で、唯一。
近代になって、その他の惑星(火星や木星など)は発見、そして、一般化し、固有名詞で無冠詞。上の三つに定冠詞があるのは昔からの慣例から。
a full moon(満月)、a cresent moon(三日月)は、毎月?巡ってくるその月の形を、満月、三日月でカテゴライズし、月が誕生したときから現れている満月や三日月を集めて?分類し、その中の無数満月や三日月の一つ。

the membersは話者と聞き手が共通に認知した、特定の集団。
それを
the members of the teamは、membersをteamで特定しているので、team=member、member=teamでチーム全員を指す。
一方、a member of the teamは、memberをそのチームでカテゴライズし、その中の一人のある一人のメンバーを指す。
The United States of Americaは、statesのカテゴリーをAmericaで特定しているので、その州の集合体=アメリカ。アメリカ=その州の集合体。つまりは米国合衆国を示す。
The Great Lakes五大湖は、lakeのカテゴリーの中の特定のlake群。
The Rocky Mountainsロッキー山脈は、mountainのカテゴリーの中の特定の山々。
the名字s=名字一家となるのも同じ理屈です。

単位や時刻にthe
You can buy tea leaves by the gram.←グラムで特定=区切って
For my rantal car, I get charged by the mile.←マイルで区切って=マイルごと

the train, the subway, the bus
→一定の路線を巡る乗り物はthe。山手線。常磐線。丸ノ内線。そういう一定の路線を走るカテゴリーの中で、電車なり地下鉄を走る路線で区別して特定。
一方、自由に行ける乗り物はその必要が無いので a/an
I took a taxi to Narita.


このように、冠詞をカテゴリー、カテゴライズの概念にすると、随分とスッキリとします。

※※以上、T.D.ミントン著「ここがおかしい日本人の英文法Ⅰ&Ⅲ」、ロス典子著「ネイティブ感覚で冠詞が使える」、デイビッド・セイン著「ネイティブはこう使う!マンガでわかる冠詞」、久野暲/高見健一 著「謎解きの英文法 冠詞と名詞」を元にした私の勝手な解釈です。

ここまで読んでくれてありがとう。
お疲れ様でした。
あなたに幸あれ!!


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