一之瀬なな
彼氏に浮気され、失恋した主人公。 そんな主人公の前に現れたのは、喋れる俺様猫だった?! 「幸せになりたきゃ、その方法教えてやろうか?」 その言葉を信じて、主人公と俺様猫の同居生活が始まる……。 物語を読みながら、学べる自己啓発小説。 「いいな」と思った方はフォロー、拡散お願いします!
高校の時に1ヶ月だけ付き合った彼女。 記憶に残る彼女の姿は、いつだって明るい笑顔で溢れていた。 だから、信じられなかった。 彼女が死んでしまったなんて。 彼女が僕へ残した手紙の意味は何なのか。 その答えを探すために、僕は今日も走り出す。
朔耶さんと会話できるようになって少し舞い上がっていた僕は、落とした勾玉のことをすっかり忘れていたことに気がついた。それが手元にないと不安で探しにいったのに、「こ…
遠くの方でせみの鳴き声が聞こえる。重いまぶたを開けて起き上がり、一番に聞こえてくるその音に、今日もまた一日が始まったと実感する。 ミーンミーンと鳴きつづけるせみ…
久しぶりに外を散歩してみよう。そう思ったのは、きっとあの書庫を訪れたせいだろう。毎日、「どんなおもしろいことがあるんだろう」とわくわく胸躍らせて過ごしていた幼い…
大嫌いだ、こんなに弱い自分のことなんて。 ここへ引っ越してきてから、もう何度も何度も、そんな言葉が頭の中をかけめぐった。漫画を読んだり、宿題をやろうと机に向…
「い、忙しい……」 月末の事務処理に終われ、ここ数日は目まぐるしい日々が続いていた。 おまけに後輩がミスした仕事の修正作業もあって、仕事が山積み。 家に帰れば、…
※1話から読みたい人はこちら 彼女のお葬式の翌日。 僕は連絡をとって、田所と会うことになった。 散々泣いてから考えてみても、やっぱりこの手紙の意味は分からなか…
※1話から読みたい人はこちら 次の日。 定時で仕事が終わった私は、今朝ノーブルから言われた指令を遂行するために駅前の商業施設へ向かっていた。 人通りの多いこの道…
※1話から読みたい人はこちら 次の日の朝。 若干2日酔い気味の私を「言わんこっちゃない」という風な目で見た後、ノーブルはまた眠りについてしまった。 朝が苦手なのか…
※1話から読みたい人はこちら 「自分の幸せや理想の人生について考える」というお題をもらってから2日が経ったけれど、未だ私の理想を定まっていない。 頭の片隅にはあ…
※1話から読みたい人はこちら ノーブルの教え通り、「口ぐせをポジティブなものに変える」を実践中の私。 口ぐせってのは習慣だから無意識なものが多くて、気を抜いてた…
※1話から読みたい人はこちら 3連休が明け、今日からまた仕事が始まる。 フラれたのが金曜日。 失恋からまだ4日しか経っていないけど、だからっていつまでも部屋に篭り…
※1話から読みたい人はこちら あれからみんなと別れた後、家に帰ってすぐにスーツを脱ぎ捨てた。 堅苦しいというのもあるけど、何だかこれを1秒でも長く着たまま過ごして…
※1話から読みたい人はこちら 翌日、本田さんから聞いた場所に、真っ黒なスーツを着て向かった。 会場に着くと、そこには見知った顔が大勢いた。 高校のクラスメイト全…
※1話から読みたい人はこちら 「浅見くん?聞いてる?」 電話越しに聞こえるそんな声に、止まっていた思考がハッとする。 ぼんやりと話を聞きながら、僕の頭の中には10…
※1話から読みたい人はこちら それから僕らが付き合い始めたのは2ヶ月が経ってから。 告白をしたのは、藤咲さんの方だった。 他の男子よりも話す回数は多かったから、…
※1話から読みたい人はこちら 藤咲さんとメールをし始めて2週間。 僕らは、放課後になると毎日のようにメールをした。 挨拶を交わす程度の関係が、今では休み時間や放課…
2018年4月7日 00:26
朔耶さんと会話できるようになって少し舞い上がっていた僕は、落とした勾玉のことをすっかり忘れていたことに気がついた。それが手元にないと不安で探しにいったのに、「この前はできなかったことができた」という小さな自信をつけた僕は、「また、探しにいけばいいか」と少し楽観的に考えられるようになっていた。彼女と僕は、あの日から頻繁に顔を合わせるようになった。散歩が日課になった僕のもとへ、朔耶さんはいつもふ
2018年3月28日 17:48
遠くの方でせみの鳴き声が聞こえる。重いまぶたを開けて起き上がり、一番に聞こえてくるその音に、今日もまた一日が始まったと実感する。ミーンミーンと鳴きつづけるせみの一生は、長い時間を土の中で過ごすのに、地上に出てからの寿命はわずか1ヶ月らしい(ずっと1週間だと思っていたけど、最近読んだ本に実は1ヶ月くらい生きられると書いていた)。何年間も土の中にいるのに、地上にでてからの生は短い。オスは何度も
2018年3月25日 19:51
久しぶりに外を散歩してみよう。そう思ったのは、きっとあの書庫を訪れたせいだろう。毎日、「どんなおもしろいことがあるんだろう」とわくわく胸躍らせて過ごしていた幼いころの自分が懐かしくなり、「なっちゃんには、この辺りを散歩するだけでも楽しいと思うわよ」と笑っていたおばあちゃんのことをふと思い出したのだ。「この辺り、散歩してきてもいい?」と言った僕を、お母さんは「気をつけて、いってらっしゃい」と送り出し
2018年2月16日 13:55
大嫌いだ、こんなに弱い自分のことなんて。ここへ引っ越してきてから、もう何度も何度も、そんな言葉が頭の中をかけめぐった。漫画を読んだり、宿題をやろうと机に向かってみたりするけれど、いつの間にか頭の中に浮かぶその言葉にやる気は失せてしまい、ベッドに寝転がってため息をつく。「何とかしなくちゃ」という意識はどこかにあるものの、その何かに取り組むための気力は、なかなか生まれてこない。しまいには、「し
2017年8月5日 16:22
「い、忙しい……」月末の事務処理に終われ、ここ数日は目まぐるしい日々が続いていた。おまけに後輩がミスした仕事の修正作業もあって、仕事が山積み。家に帰れば、軽くご飯を食べて、シャワーを浴びたらすぐに寝てしまって、以前続けていた読書も、ここ数日は出来ていない。はっきり言って私のイライラはマックスで、心に余裕がないのは自分でも自覚している。朝の支度も何だか憂うつだ。ついこの間まで「毎日
2017年7月29日 23:41
※1話から読みたい人はこちら彼女のお葬式の翌日。僕は連絡をとって、田所と会うことになった。 散々泣いてから考えてみても、やっぱりこの手紙の意味は分からなかったし、もしかしたら入れる手紙を間違えたのかという線も考えてみた。とはいえ、封筒にはしっかりと“浅見隆弘様”と書かれていたし、自分の死後に渡す手紙を間違えたりはしないだろうというのが僕の見解だけれど。 何はともあれ、1人で考え
2017年7月28日 11:08
※1話から読みたい人はこちら次の日。定時で仕事が終わった私は、今朝ノーブルから言われた指令を遂行するために駅前の商業施設へ向かっていた。人通りの多いこの道は、私と同じような仕事帰りのサラリーマンやOL、大笑いしながら並んで歩く高校生、ベビーカーを押したお母さんなどいろんな人が交差する場所でもある。その表情は様々で、私は人ごみに行くと「きっとみんないろんな思いを抱えて毎日を過ごしている
2017年7月27日 20:37
※1話から読みたい人はこちら次の日の朝。若干2日酔い気味の私を「言わんこっちゃない」という風な目で見た後、ノーブルはまた眠りについてしまった。朝が苦手なのか、私が出勤する時間は寝ていることが多いのだ。「それにしても、昨日は飲みすぎちゃったなぁ~……」なるほど。何となく参加した飲み会の所為で、こんなイマイチな状態で朝を迎えることも、きっと幸せな人生からは程遠いという訳か……。軽い
2017年7月26日 16:18
※1話から読みたい人はこちら「自分の幸せや理想の人生について考える」というお題をもらってから2日が経ったけれど、未だ私の理想を定まっていない。頭の片隅にはあったものの、ここ2日間は仕事が忙しくてゆっくりとそれについて考える時間がなかったからだ。「ただいま~」仕事終わりに同僚から飲んで帰ろうと誘われて、気付けば0時近くになっていた。一人暮らしだから時間の融通は利くし、誘われる飲み会は
2017年7月26日 10:33
※1話から読みたい人はこちらノーブルの教え通り、「口ぐせをポジティブなものに変える」を実践中の私。口ぐせってのは習慣だから無意識なものが多くて、気を抜いてたら、ついついネガティブなことが口にしてしまう。今までの習慣を変えるのは意識しないとなかなか直らないけど、こういう小さいことを変えることで、大きな差が出てくると思うんだよね。だから、私もネガティブな発言をしそうになったときは、「いかん
2017年7月24日 14:44
※1話から読みたい人はこちら3連休が明け、今日からまた仕事が始まる。フラれたのが金曜日。失恋からまだ4日しか経っていないけど、だからっていつまでも部屋に篭りっきりはよくない。と、思うけれど……。「しんどい……」 部屋の片付けをしてすっきりした気分も、朝になると様変わり。昨日は「よっしゃ!」って気持ちになれたんだけど、何となく気が重い。 結局、人のやる気なんてこんなもんだ
2017年7月23日 09:59
※1話から読みたい人はこちらあれからみんなと別れた後、家に帰ってすぐにスーツを脱ぎ捨てた。堅苦しいというのもあるけど、何だかこれを1秒でも長く着たまま過ごしていたくなかった。部屋着に着替えてベッドの縁に座りこむと、僕はテーブルの上に置いた白い封筒を手に取った。『浅見隆弘様』癖がなく、整った字が並んでいる。彼女が書いた字を見たのは、高校以来だろうか。授業中に先生に当てられて黒板
2017年7月22日 13:54
※1話から読みたい人はこちら翌日、本田さんから聞いた場所に、真っ黒なスーツを着て向かった。会場に着くと、そこには見知った顔が大勢いた。高校のクラスメイト全員に連絡が回ったのだろう。卒業以来会ってなかった連中もちらほらいて、声をかけられた。 「浅見!」 トイレに向かう途中、声のした方を振り返ってみると、田所とワッキーがいた。当たり前だけど、2人とも僕と同じように黒いスーツ姿
2017年7月21日 13:40
※1話から読みたい人はこちら「浅見くん?聞いてる?」電話越しに聞こえるそんな声に、止まっていた思考がハッとする。ぼんやりと話を聞きながら、僕の頭の中には10年前の藤咲さんの姿が浮かび上がっていた。 電話の相手は、同じ高校のクラスメイトだった本田さんだ。それほど仲がよかった訳でもなかった彼女からの電話にも驚いたけど、それよりもその内容の方が衝撃的すぎて何を言ってるのか信じられなかっ
2017年7月20日 08:43
※1話から読みたい人はこちらそれから僕らが付き合い始めたのは2ヶ月が経ってから。告白をしたのは、藤咲さんの方だった。他の男子よりも話す回数は多かったから、もしかしてとは思っていたけど、まさか彼女の口から「好き」なんて言葉が聞けるとは思っていなかったから驚いた。 前日にメールで「放課後に駅の近くでちょっとだけ話せる?」と聞かれた時も、世間話をする程度に思っていたから余計に、だ。
2017年7月19日 13:34
※1話から読みたい人はこちら藤咲さんとメールをし始めて2週間。僕らは、放課後になると毎日のようにメールをした。挨拶を交わす程度の関係が、今では休み時間や放課後の掃除の時によく話す間柄にまで発展した。話す内容なんて本当に他愛もないことばかりで、中身がない話も多いけど、この時の僕らは“箸が転んでもおかしい年頃”。何でもないことでも、大笑い出来たっけ。話しかけてくれるのは、いつも藤咲さ