夏の淡雪が消えるまえに 第4話
朔耶さんと会話できるようになって少し舞い上がっていた僕は、落とした勾玉のことをすっかり忘れていたことに気がついた。それが手元にないと不安で探しにいったのに、「この前はできなかったことができた」という小さな自信をつけた僕は、「また、探しにいけばいいか」と少し楽観的に考えられるようになっていた。
彼女と僕は、あの日から頻繁に顔を合わせるようになった。
散歩が日課になった僕のもとへ、朔耶さんはいつもふらりとやってくる。だいたい僕らが落ち合う場所は、出会いの場でもある小川。雑草がお