ユカクロのSkygazer Vol.4 「ロック少年」 田口俊の目に映った70年代はじめのロックシーン
「ユカクロのSkygazer」は、船越由佳と田口俊によるプログレッシブロック・ユニット、Yuka & Chronoship によるポッドキャスト。
ふとした思いつきから9月にはじめたころは、何について話すのかについてもぜんぜんハッキリしていなかったし、毎回の収録でも、事前の打合せや台本はまったくナシで話しているけど、回を重ねるにつれて、だんだんと大まかな方向性が定まってきたように思う。
現在はおもに作詞家として活躍する田口俊さん(いちばん知られた曲は、サントリーのCMで流れる「ウイスキーはお好きでしょ?」)は、70年代はじめに青春時代をすごし、当時の最先端だったプログレにどハマリしたロック少年。
まだ形のさだまっていないロックとともに音楽人生をスタートしたので、いまでは当たり前になっているロックが、そのころの若者にどう受け止められ、それがどのように形になっていったのかについていろいろと細かい話を聞くのがとても面白い。
この時代は、自分にとってはまだ物心がついていなかったころだけど、その後、この時代の名残りのようなものはいろんな場面で感じてきたことなので、「なるほど。そんな時代があって、その後のアレやコレやにつながったのか!」と、いろいろと合点がいって、ものごとがつながる感覚が心地よい。
船越由佳さんは、田口俊さんのプロデュースでJ-POPのアルバムを何枚か出していたが、ある日、由佳さんがテキトーにつま弾いた曲が「まるっきりプログレだった」(by 田口さん)ことから、2人でプログレッシブロックのユニットを組むことに。
この話から分かるように、ラヴェルやドビュッシーといった20世紀初頭のフランスと、故郷である岩手県遠野市の自然ゆたかな(超自然的な気配も感じさせる?)環境のもとですごした青春時代に音楽的なルーツを持つ船越由佳さんは、いわゆる「プログレの歴史」からはうんと遠いところで育っている。
だから、田口さんと由佳さんのコラボから、どのように70年代プログレの曲が生み出されてくるのか?そのあたりの創作の秘密やプロセスを由佳さんから聞くのが楽しい。
プロデューサーである田口さんが、由佳さんにどんな風に注文を出すのか? そこからどんな具合にイマジネーションをふくらますのか?
そういうことを聞くのが本当に面白い。
今回のテーマは、70年代のベトナム戦争の前と後。
もちろんいつもながらに話は脱線しまくるわけで、70年代はじめの「ロック少年」、田口俊がどんなコンサートに行き、そこで何が起きたのかについてのひたすら面白いエピソードも紹介されている。
Vol.4では、おもに田口さんの青春時代が語られたので、次回は、由佳さんの創作プロセスにフォーカスして話を聞いてみようかな、と思っている(もちろん、話が脱線しまくって、ぜんぜん別の話で盛り上がる、という可能性もあるけど…)。