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幼児期に、何かに熱中する効果
幼児期のお子様は、おもちゃやキャラクター、車や電車など、特定の物に熱中することがありますね。時に、大人から見て熱中しすぎてるのではないか、と心配になることも。このように、幼児期に何かに熱中することは、実は子供の成長にとって大変よい効果があります。実際に、優秀な大学に進学した人のほとんどが、幼児期に何かに熱中した経験があるようです。では、どのような効果があるのでしょうか。
1. 好奇心と探求心の育成
幼児期に熱中することは、子どもの中に「もっと知りたい」「もっとやってみたい」という好奇心を育てます。この探求心は、学びへの意欲や創造性を養う基盤となります。
2. 集中力の発達
一つのことに熱中することで、集中力が育ちます。幼い頃から集中して物事に取り組む習慣を身につけると、将来の学習や仕事でも大きな助けになります。
3. 成功体験による自信の形成
何かを一生懸命に取り組み、達成感を得る経験は自己肯定感を育てます。「自分にもできるんだ」という感覚が、挑戦を恐れない前向きな心を育みます。
4. 自分らしさの発見
熱中するものを通じて、自分の興味や得意なことを知ることができます。幼児期は様々なことに触れる時期ですが、その中で好きなものを見つけることで個性が育まれます。
5. 情緒の安定とストレス発散
好きなことに没頭する時間は、子どもにとってのストレス発散や情緒の安定にもつながります。特に、遊びや創作活動に熱中することで、感情を健全に表現する方法を学びます。
親としてできること
• 興味の幅を広げる環境作り:いろいろな遊びや体験を提案してみる。
• 見守る姿勢:過度に干渉せず、子どもが自分で深めていけるようサポートする。
• 失敗を許容する:失敗しても挑戦する姿をほめる。
特に、親御さんの見守る姿勢は大切です。お子様が何かに熱中している時には、環境が許す限り途中で中断させないようにするなど、意識するとよいと思います。
そして、熱中していることから派生させて、興味の幅を広げていくような関わりをしていくとなおよいでしょう。
また、日頃から何かに興味を持たせるような声かけをすることも、効果的です。
子供は、興味をもったことには、自分から学んでいきます。親御さんの関わり方ひとつで、興味、関心のもち方が変わってきますよ。
私の教室に通う4歳のお子様。地図に興味をもったので、日本地図の都道府県を教えると、あっという間にすべての都道府県を覚えてしまいました。また、数に興味をもった5歳のお子様は、簡単な足し算を教えて、カードゲームをしたところ、2桁の足し算ができるようになった等、子供は興味をもつと、自ら学ぼうとして素晴らしい力を発揮します。その対象がキャラクターでもよいのです。キャラクターが好きなら、そこから他のキャラクターに派生させて、全種類のキャラクターを覚えるというのも、よいと思います。アンパンマンが好きなら、出てくるキャラクター全て覚えるとか、ポケモンが好きなら、キャラクターからカタカナを覚えるとか。様々な派生の仕方があると思います。そこは、親御さんの知恵の見せ所ですね。
一度、熱中して集中する経験をすると、他の場面でも、集中することができます。この経験は、ぜひさせてあげてほしいと思います。
幼児期に熱中する経験は、人生の基盤を形作る大切なプロセスです。子どもの「夢中」を大切にし、温かく見守る姿勢が未来を明るくしますよ。