500試合登板(9月20日〜21日/横浜vs阪神●○)
9月20日 横浜vs阪神(横浜スタジアム) 9-6/●(現地)
試合数の都合で自力優勝は消えているけれど「優勝の可能性」はまだ残っているという正念場。けれど負けられないのはCS進出に手がかかっている横浜も同じだ。
午前中に仕事を終え、関内に住んでいる友人宅に寄って生まれたての赤ちゃんに元気をもらってから球場へ。
絶対に負けられないという気持ちと同時に、引き続き「次が500試合登板」の岩崎選手の出番があるかどうかという緊張も込みでの観戦となった。
2回裏、先頭オースティン選手のヒットからあっという間に満塁のピンチを迎え2-0に。
3回表は3者凡退したところで、3回裏、またしても先頭から2者連続のヒットでオースティン選手に打席がまわり3ランホームランで5-0という痛恨の滑り出し。
3塁側のファンが意気消沈するも4回表、先頭森下選手へのデッドボールから繋いでいって前川選手のタイムリー、梅野選手のゴロ、木浪選手のタイムリーと3打席連続得点で差を縮め、さらに近本選手のタイムリーもあって5-4、まだまだいけるという雰囲気になった。
この雰囲気を作ったのは、もちろん4回表の4得点もあるのだけど、3回裏、オースティン選手にHRを打たれた後に交代した富田投手が、3人で3アウトを取ってシャットダウンしてくれたのもあるように思う。 今年の阪神リリーフ陣にとって、富田選手は本当に欠かせない存在になっている。
4回裏、ピッチャーは島本投手に代わり、先頭四球を与えてしまってからの1失点で6-4。
5回表に梅野捕手のタイムリーで6-5。
あと1点差を縮められずにいた中での7回裏、宮﨑選手のタイムリーと筒香選手の2ランで9-5と突き放される。
それでも今のタイガースならまだいける、という雰囲気はあった。
9回表、先頭森下選手が四球を選び、前川選手のタイムリーで1点を返したものの、追いつくことはできずに9-6で試合終了。
届かなかったけれど、最後まで勝とうとする勢いは消えていないことを感じる試合だった。
この日は座っていたエリアが、3塁側の横浜応援席の隣のブロックで、横浜ファンの声援と阪神ファンの声援がどちらも同じくらい聞こえて、シーズン大詰めの盛り上がりを肌で感じることができた。
明日こそは、と思いながら帰路につく。
阪神:西勇/富田、島本、石井、ビーズリー、岡留、桐敷-梅野
横浜:森唯/坂本、中川颯、伊勢、ウィック、ウェンデルケン、森原-伊藤
9月21日 横浜vs阪神(横浜スタジアム) 5-6/○(現地)
この日は久しぶりのデーゲーム。
球場に到着すると、座席は目玉焼きが焼けそうなくらいの熱さになっており、敷物を持参していなかったら座っていられないくらいだった。敷物はあった一方、帽子を忘れてしまったので、ずっと頭からタオルをかぶって試合を見ることにもなった。
練習時間のリリーフ陣も、暑さのためかこの日は壁沿いの日陰を選んで移動していた。暑さが苦手な岩崎投手がそうするのはわりとあることなのだけど、この日はほとんど全員がその道を通ってブルペンに直行していた。明日からは甲子園に戻って現在首位の巨人との対戦がある。自分の体を守ることも選手の重要な役割なんだなと思う。
2回裏、先発青柳投手が1アウト満塁のピンチを迎えるもなんとか失点せずに抑える。 3回表、先頭近本選手が出塁、繋いでいって大山選手のタイムリーで1点先制。さらに2アウト1、2塁で井上選手の3ランホームランが飛び出し0-4と素晴らしい滑り出し。
5回裏、先頭森選手の2ベースヒットから代打林選手のタイムリーで1-4。さらにオースティン選手のタイムリーで2-4となったところで島本投手に交代するも、出合頭の宮﨑選手に3ランホームランを打たれ5-4と逆転を許してしまった。
ここからは両者譲らずの継投勝負へ入っていく。
6回は桐敷投手、7回は石井投手が走者は出すもきっちりと0に抑えてくれる。今年は本当に、この2人のおかげで勝てた試合がたくさんある。
そして8回表、先頭の大山選手のヒットから佐藤輝明選手のヒット、前川選手の四球でノーアウト満塁の大チャンスがやってきた。ヒットはなかったけれど、代打渡邊選手の打席で、悪送球が絡んで押し出し5-5の同点。
そして8回はゲラ投手が3者凡退の圧巻の投球で同点を守り9回、岩崎選手が500試合目のマウンドに上がった。
いつものようにたんたんと、足場を作り投球練習を始める。
先頭、蛯名選手は2ボール2ストライクからの5球目をセンターフライに打ち取り1アウト。
2番手、梶原選手は1ボール2ストライクからの4球目をファウルフライで2アウト。
3番手、牧選手は1ストライクからの2球目をショートゴロに打ち取り3アウト。
普段通りのポーカーフェイスで、11球で0に抑えてみせた。そしてこのイニングの後、あのパネルを持って掲げるイベントがあり、この光景を見たいとずっと思っていた自分は感無量でした。
同点で9回を終え、あとはもう勝つだけという10回の表、2番手の佐藤輝明選手がライトスタンドの上の方まで届く大きなホームランを打ってくれた。
本当に頼りになる、スター選手だなと思う。
10回の裏、マウンドに送られたのは岡留投手。
1年目の2022年は1軍帯同はあったものの登板はなし。昨年7月にはプロ初登板があって8試合で投げた。そして2024年はここまでで既に33試合に登板し、着実に存在感を増してきた。
右手をあげ、大きく息をつく独特のルーティンに、見ているとつい呼吸を合わせてしまう。「いつも緊張している」という岡留投手は、しっかりと打者3人で3アウトを取り、マウンドの上でほっとした笑顔をみせた。
先輩たちが駆け寄ってきて、手荒く岡留選手を祝福する。
そしてベンチ前でハイタッチに並んでいた岩崎投手は、岡留投手からウイニングボールを受け取るとそのまま、ガシッとハグをして後輩の労をねぎらった。
私は阪神のリリーフ陣が特に好きで、練習もずっとリリーフばかりを見ているけど、「チーム」として動くことの多いポジションだからこそ、先輩後輩のコミュニケーションも多くて、だからこのハグは本当に、岩崎投手の素直な気持ちを感じてなんだかすごく嬉しかった。
チームにとって大事な勝利であると同時に、岡留投手のプロ初セーブが岩崎投手の節目の試合の勝利を守ったということがとても嬉しい試合でした。
阪神:青柳/島本、桐敷、石井、ゲラ、岩崎、岡留-坂本、梅野
横浜:濱口/上茶谷、中川颯、伊勢、ウィック、森原、ウェンデルケン-戸柱、伊藤
岩崎優投手の500試合登板
私が野球を見始めたのは2022年、そして本格的にタイガースファンと心を決め、ほとんどの試合を見るようになったのは2023年のことだ。
最初から、一番好きで応援している選手は岩崎投手なのですが(だから阪神ファンになったのもある)、でも私は岩崎投手がルーキーだった頃を知らないし、日本代表に選ばれた頃も見ていない。
すでに数多くの場面を見逃してしまったという思いがとてもあって、だからここから先の見れるものはできるだけ見ておきたいという気持ちで、今年は年内に達成されるかもしれない「500試合登板」と「100セーブ」という節目の試合を見ることを目標にしてもいた。
だから2024年の9月21日は自分にとってひとつの夢が叶った日でもあった。
節目の試合を見れたということもだけど、こんなクライマックスの痺れる展開の中での試合だったこと、自分が「ルーキーの頃」を知っている岡留投手の成長を見れたこと、全部嬉しかった。
岩崎投手の500試合のうち、私が見ることのできた登板は130試合くらいだと思う。 これは一つの節目だけど、私の見ることのできた登板が見逃した登板を超えるくらい、末長い活躍を応援したいなと思っています。 おめでとうございます。
後日談によると、この日のウイニングボールは岩崎投手から岡留投手に贈られているとのこと。絆を感じるエピソードでした。
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