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満塁チャンスと継投勝利(9月3日〜9月5日/阪神vs中日○○○)

(写真は9/7のもの)


9月3日 阪神vs中日(甲子園) 4-1/○


 10日あけての髙橋遥人投手の登板日ということで否応なくわくわくしてしまう火曜日。
 中日の先発は今年絶好調の髙橋宏斗投手。楽しみな対戦である一方、今年の阪神戦での登板は2回目(5/14と7/12)で、どちらも負けている。

 しかし今日は髙橋遥人投手の復帰後初、2021年以来となる甲子園登板でもあるので、なんとしても勝ちたい試合だった。

 1回表は3者ともゴロを打たせて3アウト。2回表も3者凡退に抑えて上々の立ち上がり。
 そして2回裏、その好投に応えるかのように、先頭佐藤輝明選手が出塁、前川選手が四球、梅野捕手のヒットで満塁に。そうして打席は「満塁男」木浪選手に回ってきた。
 今年ここまで好調とはいえず、怪我での離脱もあった木浪選手だけれど、満塁時の木浪選手の頼もしさは今年も格別だ。初球を見事レフトの空白へ運び貴重な2点先制となった。

 髙橋遥人投手はマイペースに、自分の間合いでの投球を続けていく。
4回裏では2アウト3塁まで詰め寄られるも、最後細川選手をストレートで見逃し三振にとらえて3アウト。この肝の据わり方も髙橋遥人投手の魅力だろう。痺れるような一球だった。

 7回裏、木浪選手がツーベースヒットで出塁。髙橋遥人投手の打順で熊谷選手が代打に出た。この難しい場面で見事送りバントを決めて1アウト3塁に。そして打順は1番に戻り、近本選手のタイムリーで貴重な追加点を加えて3-0となった。
 木浪選手が出塁して、近本選手が返すというのは昨年の、調子が良い時の象徴のような構図だったので嬉しくなってしまう。

 8回表は岩崎投手。1アウトをとったところで2番手の山本泰寛選手に粘られ(おそらく意図的に)四球で送り、3番手の木下選手をダブルプレーで打ち取るという見事なリリーフだった。
 8回裏、中日は橋本投手がマウンドにあがる。
 2番手佐藤輝明選手が出塁すると、続く井上選手(前川選手の代打)のライト方向への打球がアウトかと思いきや落球でチャンスがつながる。そして梅野捕手への四球で1アウト満塁で再び木浪選手に打順が回ってきた。
 満塁に強いと言われることは、後押しにもなるだろうけどプレッシャーにもなるだろう。
 けれど木浪選手は動じず、四球を選んで押し出しで出塁、4-0とした。

 9回はゲラ投手。ピンチもあったけれど最小失点で抑えて4-1で試合終了。
 ヒーローインタビューは髙橋遥人投手と木浪選手の亜細亜大学の先輩後輩コンビ。


「最後に甲子園で投げたのはいつ?と聞かれても、僕はずっと中日戦と答えてる。自分ではそこで終わってる感じがしてるので」

阪神・高橋が敵地で感じた“甲子園の強み”背に力投 「いつも相手はこんな感じなのかなと」

 翌日に出たこの記事が印象に残った。この試合は髙橋遥人投手にとって、長い間止まっていた時間が動き出す転機になるのかもしれない。
 これからたくさんの記憶で上書きされるのを楽しみにしています。

阪神:高橋/岩崎、ゲラ-梅野
中日:高橋宏/橋本、フェリス-加藤匠、木下



9月4日 阪神vs中日(甲子園) 9-4/○


 先日スマホの回線契約を切り替えてスカパーのアプリで試合を見ながら帰るということができるようになった。これまではスポナビなどで確認しつつという感じだったけれどやはり動画で見れるのは楽しい。
 1回表、1番岡林選手にヒットを打たれてから、佐藤輝明選手の悪送球も絡んで追い込まれ2点先制されてのスタート。村上投手は今年初回に失点することが多く、そのことで色々と苦しんでいるのも感じる。
 どうにか持ち直してくれたらいいけど…と思いながら見ていた1回裏。
近本選手が先頭出塁。これでなんと17試合連続安打だ。中野選手も続いてノーアウト1、2塁、そろそろまた活躍する頃合いかなと期待していた森下選手が同点タイムリーとなるツーベースヒットで2-2。
 さらに大山選手のツーベースで2、3となったろころに佐藤輝明選手のタイムリーで4-2。
 そしていまだノーアウト1塁で打席に立った井上選手が、打ち上げた初球は見事な2ランホームランとなって6-2というビッグイニングになった。

 解説の方は、中日の小笠原投手も今年は立ち上がりに苦労することが多いという話をしていたけれど、両先発ともに2回からは0を並べていく展開。立ち上がりというのは本当に難しいんだなと思った。

 5回裏で中日は岩嵜投手に交代。代わりばなを捉え、1アウト1、2塁で坂本捕手がヒットを打つ。満塁だ。そしてこのカード3回目の満塁の打席で、木浪選手はまたしてもタイムリーを打ち7-2とした。さらに村上投手のセカンドゴロの間に走者1人かえって8-2。
 6回表に2点返されるも6回裏に1点を返し9-4。
 そこからクリーンナップとあたる7回を石井投手、8、9回を及川投手が抑えて試合終了。

 近本選手の安打数はセリーグトップとなり、木浪選手の満塁時打率は5割をこえた。

阪神:村上/島本、石井、及川-坂本
中日:小笠原/岩嵜、祖父江、フェリス、齋藤-宇佐見



9月5日 阪神vs中日(甲子園) 2-1/○


 明日は有休をとっているので実質金曜日気分で退勤。
 1回表、先発の大竹投手は先頭の岡林選手にヒットを許すもその後2者連続で三振を奪っていて、調子が良いように思えた。2アウト1、3塁のピンチは作られたものの、0に抑えての立ち上がり。
 中日の先発、大野投手も調子が良いようで、2回裏などは2アウト1、2塁のチャンスを作るも最後はゴロを打たされての3アウト。

 試合が動いたのは3回の裏だった。1アウト1、2塁のチャンスに先制タイムリー。さらに1アウト満塁のチャンスで佐藤輝明選手の犠牲フライで2-0。
 援護をもらった直後の4回表、満塁のピンチがあったものの0に抑えて試合は続く。5回表に1点返されるも勝ち越しは許さず2-1。

 今日の大竹投手はピンチも多かったと思う。けれど三振も取れていたし、調子が悪いという印象ではなかった。試合後の記事を読むと、今日は大竹投手のトレードマークとも言えるスローボールが出なかったとのことだった。

スローボールを球種から消したわけではない。大竹なりの明確な根拠があってタイミングを外しているので、この日は一時封印といったところか。ベース上での強い真っすぐがあってこその緩急が、より有効。現役ドラフトで阪神に入団した当初の「140キロの力強いストレート」を取り戻そうと、原点に立ち返ったのがこの日のマウンドだった。

大竹がスローボールを「一時封印」した理由 調子が悪くても「原点」のストレートにこだわった

 大竹投手は1失点、8奪三振で勝利投手の権利を得て5回で降板。
 ここからは継投勝負に入った。
 6回表は桐敷投手。先頭、木下選手にヒットを打たれ2アウト2、3塁で3球連続でボール、というところまでピンチが広がったけれど、坂本捕手がマスクを外して「大丈夫」と声をかけた後、3球連続ストレートで三振を奪ったのは感動的だった。
 7回表は石井投手。わずか7球で3アウトをとり颯爽とマウンドを降りていく。
 7回裏は阪神がノーアウト3塁のチャンスを得るも、そこから3人連続でアウトをとり0に抑えた藤嶋投手も流石だった。
 8回表は岩崎投手。9月3日に続いての8回での登板で3人目の石川選手のヒットが二塁打となるも、続くブライト選手を空振り三振に打ち取って2-1を保つ。
 8回裏は中日、清水投手に対して3者凡退で追加点はなく、2-1のまま9回表にはゲラ投手がマウンドに上がり、三者凡退で試合終了。

 僅差の試合を継投勝負で勝ち切る、リリーフ好きには最高の試合だった。
そしてこの日は森下選手とともに、ゲラ投手が初めてのヒーローとなった。今年は前半からリリーフはフル回転だったとおもうけれど、岩崎投手もゲラ投手もまだヒーローインタビューされてないことが気になっていたので、嬉しい人選でした。

阪神:大竹/桐敷、石井、岩崎、ゲラ-坂本
中日:大野/齋藤、藤嶋、清水-木下

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