わが作庭記(秋に植える植物の準備のことなど)/一日一微発見390
この6月のヨーロッパへの旅は、徹底したコンテンポラリーアートの旅ではあったが、隠れテーマは「庭の旅」「植物への旅」であった。
美術館めぐりの休憩。マドリッドでは、プラド美術館の横にある国立植物園の野外ティールームで白ワインを呑みつつ散策した。ブルーセイジや大きく育ったアカンサスを見てまわる。
うちの庭にも植わっている植物が異なる気候風土でどんなふうに育っているかを見るのは実に楽しい。
植物園のあとティッセン・ボルネミッサで見たルシアン・フロイドの絵の中にも(特に初期)、植物がよく出てくるのも、さらに興味を深くする。
数日後、マドリッドからポルトガルのポルトへ移動。現代美術館セラルヴェスへ行ったのだが、ここは海辺の丘の公園の中にあって、さながら植物園の中にアルヴァロ・シザによる名建築があるというたたずまいだった。
ここでも大きな木立の中にあるティーハウスで休憩した。
海の近くだが、アカンサスはここでも群生していて、見事だった。公園ができて100年ぐらいらしく見たことがないほど大きなユーカリの林があった。
ブックショップにもたくさんガーデニング関係の本があり、ずい分熱中してチェックしてしまった。なぜか、コンテンポラリーアートとガーデンはここ数年、急接近しているのである。
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