庭が考えてくれる。アウタルキーへの回帰/一日一微発見479
毎年11月に「三ケ日會」というものを、「仮の家」でやっている。 僕が教えている京都芸術大学大学院のOBと在校生、そしてオンラインサロンA&Eのメンバーたちとの勉強会・交流会である。5年はやる予定で、今年は3年目にあたる。
来客のために、夏の酷暑で荒れた姿が生々しい秋の庭を調律する。それは主である僕にとっても、ありがたいタイミングであり、来春の準備にもなる。
3日使って庭を掃除した。
枯草や荒れるにまかせた雑草をとり除くのである。たしかに作業は大変で、電動草刈り機も使って徹底的にやる。
11月ともなるとさすがに虫の量は激減する。ハチも、いよいよいない(蚊や蛾はしつこくいるが)。びっくりするぐらいいなくなる。アカシアにカイガラムシが発生して除却作業に追われたが、もう季節ははっきりと「虫の息」にむかっている(11月後半に向かい、虫は驚くほど死滅、消失する)。
これはこれでとても不思議で、なぜ昆虫たちは冬越しできるように進化・変化しないのだろう。異論もあるだろうが、うちの庭は見事に死滅する。サイクルがある。
さて、こんな時だから今年の植物の生き様がよく見える。樹木は健闘している。サルスベリ、スモークツリー、カシワバアジサイ、ツバキ、セイヨウニンジンボク、ドドナエア、キョウチクトウなどは大きく成長。
アカシアはたくさん花芽をつけているが繁りすぎでカイガラムシにやられたので駆除。
ウィンターコスモス、ルドベキア、
コレオプシス、ミントマリーゴールド、レオノムス、レモンマリーゴールドも健闘。
一方で酷暑と雨、湖からの強風でやられたのはアカンサス、ユーフォルビア、タチアオイ、ジギタリス(一部生存)。レッドバレリアンは残念にも今年もトライしたが夏越しできず、姿を消した。
言いわすれたが、アメリカコデマリ、タンジー、リュキュウシャガ、そしてエキナセアたちは圧倒的に元気に育った。
バラは元気だが、ちょっと目をはなすと虫のえじきになる(ハマナスだけは別で、今年は猛烈に大きく成長して大当り。11月でも咲いている)。
あと、あれほど隆盛を誇ったら雑草も、大株であれこの時期はびっくりするほど衰退していて根こそぎ抜ける。
まる3年庭をやって、庭のマイクロウェザ一がわかってきた。日向と日陰。ドライと湿地などなど。この時期に、この土地への適応性のある植物たちが明確になったのである。
一年草たちは、どんなにしても越冬はできないわけだから、テンポラリーな存在で、それはそれで大切である。つまり、明確な庭のプレイヤーの役割がはっきりしてきたというわけである。ならばそのことを意識して4年目の春を計画すればよい。学びである。
庭が教えてくれると最大のことは、植物を通しての「いのち」のことである。
人間のスケールと植物のスケールはちがう。時間についてもちがう。人間は見えない時間を切りとって、見える化しているが、植物の時間はいのちと一体のもので、切りはなされてい
ない。植物が成長し、花が咲き、枯れていく変化自体が時間であり、植物=時計だということだ。
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