アートの秘密を説きあかす/一日一微発見202

昨年末から、新しい単行本の準備を進めている。
タイトルは『アート戦略2 アートの秘密を説きあかす」というものだ。

「解き明かす」ではなく、「説きあかす」。そうこの本は、アカデミックな「ライティング」ではなくて、アーティスト自身に聞き、その肉声によってアートの秘密をかいま見ようとする本なのである。

この20年ぐらいの間に僕がインタビューしたものの中から(写真家はのぞいている。別の本を作る計画しているからだ)

50本弱を厳選して、6章のコンテクストにエディットして構成したものだ。

すべて雑誌またはwebにインタビューとして一度公開したものを再録している。この本用に新たに録ったものはない。

このような本は、普通なら「アーティストインタビュー・ブック」となるのだろうが、やってみると、そうではない。そんなバラバラなものでもない。だからといって先に答えがあって、それを暴き出すものでもない。いかにコンテンポラリーアートは定石がなく、それぞれのアーティストの固有のメソッドによって成立しているかということが浮かび上がる。
そこが重要なポイントなのだと、編集していて痛感させられたのである。

「コンテンポラリーアートの声を聞く。アートの問いを集める」というサブタイトルを、途中で思いついたりもするのであった。