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目は旅をする・後藤繁雄による写真集セレクション

ヴィジュアルの旅は、大きな快楽を、与えてくれるし、時には長編小説以上に、人生についてのヒントを与えてくれます。 このマガジン「目は旅をする」は、長く写真家たちと仕事をして、写真…
後藤繁雄おすすめの写真集についての記事を月に2~3本ずつ投稿します。アーカイブも閲覧できるようにな…
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2021年7月の記事一覧

サイ・トゥオンブリー 『Photographs 1951-2007』/目は旅をする040(魅力)

サイ・トゥオンブリー 『Photographs 1951-2007』Schirmer/Mosel刊 サイ・トゥオンブリーは、1928年生まれ、2011年に亡くなったアメリカのペインターである。ボストンやニューヨークで学び(ブラックマウンテンカレッジでもラウシェンバーグらからも学んだ)、1957年からはイタリアへ移住し制作を続け、80歳を過ぎても精力的に制作を続けた。 詩をキャンバスにドローイングしたり、アブストラクト絵画というカテゴリーでは括れない、独特な「絵画」を生み出

シャーロット・コットン 『The Photograph as Contemporary Art(現代写真論 増補改訂版)』/目は旅をする039(写真の未来形)

シャーロット・コットン 『The Photograph as Contemporary Art(現代写真論 増補改訂版)』 Thames & Hudson刊 今回は写真集ではなく、現代写真論の本を取り上げる。シャーロット・コットンの『現代写真論』(晶文社)をアップデートしたヴァージョンで、日本ではまだ増補改訂版は出版されていないものだ。 僕がシャーロット・コットンに初めて会い、インタビューしたのは、雑誌『エスクァイア日本版』でアメリカ写真特集号(「写真が語る、ニューヨーク