サイ・トゥオンブリー 『Photographs 1951-2007』/目は旅をする040(魅力)
サイ・トゥオンブリー 『Photographs 1951-2007』Schirmer/Mosel刊
サイ・トゥオンブリーは、1928年生まれ、2011年に亡くなったアメリカのペインターである。ボストンやニューヨークで学び(ブラックマウンテンカレッジでもラウシェンバーグらからも学んだ)、1957年からはイタリアへ移住し制作を続け、80歳を過ぎても精力的に制作を続けた。
詩をキャンバスにドローイングしたり、アブストラクト絵画というカテゴリーでは括れない、独特な「絵画」を生み出した。その作品は高い評価を得て、彼の個展は世界中の大型美術館に巡回し、2001年には、ヴェネチアビエンナーレで金獅子賞も受賞した。
しかし、だからと言って彼の作品の「魅力(allure)」がどのような力の源から生成されてくるかを説明することは難しい。
嵐の時の雲や海辺になぜか不可思議な作用で惹きつけられるように、トゥオンブリーの絵画は存在する。
時にはうっとりと、時には胸騒ぎを、引き起こす。
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