3.11の日に、デレク・ジャーマンの庭のことについて考える/一日一微発見352
「仮の家」が竣工したのは、ちょうど1年前のことで、家はできたけれど湖に面した「庭」も周辺も、全くの「荒地」だった。
1年経って、京都から移植した椿は、この土地の気象サイクルに馴染んで70個もの花を咲かせた。バラは早くも芽吹き、冬に球根を植えておいたアネモネが、赤と黒の目玉のような大輪を風の中で揺らせている。
生の喜びに溢れている。
1年前のことを思い出す。何十年にもわたって放置されていた土地には、裏山から伸びた藤なのどの太い根が縦横に走っていて、スコップも入らない。元々の