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アート思考・後藤繁雄の一日一微発見

「一日一微発見」というのは、僕が師匠だと思っている文化人類学者、故・岩田慶治が日々やっていたこと。 僕はそこからヒントをもらって、もう15年ぐらい前だけど、ネットで日々連載してい…
編集者・アートプロデューサー・京都造形芸術大学教授/後藤繁雄です。 アートや編集のこと、思考、アイ…
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2023年3月の記事一覧

逸脱する編集③レイ&チャールズ・イームズ/一日一微発見358

逸脱の編集の3回目はレイ(1912-88) &チャールズ・イームズ(1907-78)を取り上げる。 彼らは…

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「ケア」と「アート」についての覚書き/一日一微発見357

現在、コンテンポラリーアートの方向は「ソーシャル」である。これは政治・経済から人種・性差…

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日本の美をアップデートするということ ④ 速水御舟/一日一微発見356

どうしても速水御舟の絵が観たくて水戸の茨城県近代美術館へ行った。 日本画家・速水御舟は約…

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日本の美術をアップデートするということ③加山又造/一日一微発見355

高校生の終わりまで僕を支えていた唯一のことは、絵を描くことであった。 しかし、一家の事情…

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ハラルド・ゼーマンとキュレーションの魔術についてその①/一日一微発見354

キュレーションとは何だろうか? 美術館は昔は博物館であり、「美術作品」すら「博物」の一つに…

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裸の眼で見る① パウル・クレーについて/一日一微発見353

AIはすべてをコトバで、さも「わかったかのように」書く。 しかし「彼」の悲しいところは、「…

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3.11の日に、デレク・ジャーマンの庭のことについて考える/一日一微発見352

「仮の家」が竣工したのは、ちょうど1年前のことで、家はできたけれど湖に面した「庭」も周辺も、全くの「荒地」だった。 1年経って、京都から移植した椿は、この土地の気象サイクルに馴染んで70個もの花を咲かせた。バラは早くも芽吹き、冬に球根を植えておいたアネモネが、赤と黒の目玉のような大輪を風の中で揺らせている。 生の喜びに溢れている。 1年前のことを思い出す。何十年にもわたって放置されていた土地には、裏山から伸びた藤なのどの太い根が縦横に走っていて、スコップも入らない。元々の

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