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27日後に新刊を出す植本一子(2024/11/4)

朝から予定がびっちりな1日。午前中に天然スタジオの出張撮影。七五三シーズン真っ只中ということで、早めに着いた境内を見回すと、出張カメラマンたちの姿が多数。どの人もスーツで身なりをきちんとされていて、基本はカメラ2台持ち(1台は望遠)、機材が入っているであろう小さめのスーツケースを持ち歩いているのですぐにわかる。私はなるべく目立たない色の普段着に、カメラは首から一台、いつものリュック移動で、一般客に紛れられるようにしている。以前撮影したことがある神社だったのでロケハンもすぐに終わり、お客さんが来るのを待つ間にぼんやりカメラマンたちを目で追う。どうやってコミュニケーションをとっているのか、どの位置から撮っているのか、など勝手に勉強させてもらう。普段他のカメラマンの仕事風景を見ることはないので、出張は貴重な機会なのだ。

今日のお客さんは顔馴染みのご家族。たまに会うこともあるくらいなので、気安く話せることもあり、緊張感なく撮影を遂行。出張撮影なんて料金がピンキリで、私は安くはない値段設定にしている。それくらい貰わないと気持ち的に難しいということでもあるのだけど、それでも依頼してくれるのはただただありがたいと思う。貴重なハレの日に同席させてもらう嬉しさ。天気にも恵まれて良かった。

一旦家に帰ってデータをパソコンに移し、すぐに事務所へ移動。午後は月一で集まるオープンダイアローグの会。誰にも口を挟まれずに、話を聞いてもらう場があるというのは、ものすごく稀なことなのかもしれないと思う。メンバーにも恵まれている。自分のセーフティネットのひとつとして大事に続けていきたい。

会が終わり、そのまま事務所で撮影の納品作業をギリギリまで進める。電車に乗って日比谷へ。今日は尾崎くんのやっているポッドキャストのイベントがあり、急遽行くことになった。いつも聞いてるよ、と伝えていたので、思い出して誘ってくれたのだろう。差し入れ買わないと!と気づき、近くにあったディーンアンドデルーカで購入。案の定、招待席は一番見やすい場所に設定してあり、誰が招待客で来るんだろう、と開演までぼんやり待っていると、隣に金髪のあきらかに常人ではない若い男性が座った。誰だ……とミーハー心が湧き、会話に聞き耳を立てていると、普段は大阪に住んでいて、先週本が出て、それを誰々に献本した……という旨を話している。ミツにLINEで、聞こえて来た会話を箇条書きで伝え、誰?と聞くと、秒で「市街地ギャオさんですね」と返信あり。どうしてわかるんだ!と驚きながら本編が始まり、楽しくイベントを見て、楽屋に挨拶に行かなければ……とロビーでひとり待っていると、新潮の編集御一行様にばったり会う。後ろにはさっきの金髪の男性が。編集長から「小説家の市街地ギャオさんです」と紹介され、まあ!市街地ギャオさん!今知りました^^という顔をしましたが、実は知っていましたすみません。

ギャオさんは太宰治賞を受賞され、受賞作の小説が筑摩書房から先週出たばかり。私も筑摩からエッセイが出ていることを伝えると「お互い筑摩っ子ですね♡」と嬉しそうにしてくれる。私が日記を書く人間だと編集長が伝えると、ギャオさんも最近日記を書くようになったと言い、日記とエッセイは書き方違いますか?と聞かれたり、共通の知人のしーばのことや、金原ひとみさんが大好きだそうで、そんな話で盛り上がっていると、あっという間に挨拶に呼ばれてしまった。尾崎くんとニシダさん、そしてゲストで出ていた木下龍也さんにも久しぶりに会えて嬉しい。ディーンアンドデルーカの紙袋をおそるおそる差し出すと、まさかフィナンシェ!?と笑っていた。イベントの中でも、みんながフィナンシェを持って来てくれて、すでに8個くらいいろんなフィナンシェが楽屋にあると言っていて、あちゃーと思ったのだ。文フリ頑張ろうね、と伝えて帰る。

ギャオさんのこと勝手に書いてしまったが、大丈夫だろうか。ギャオさん、小説読んでみますね。またどこかで会いましょう。

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