30日後に新刊を出す植本一子(2024/11/1)
依頼仕事の撮影日。下北沢にあるreloadという商業施設の撮影を、オープン時からホームページやらリーフレットやらで関わらせてもらっているのだけど、その流れでインスタグラムの店舗紹介の撮影もずっと担当している。普段は天然スタジオの撮影がほとんどなので自分一人で完結するけれど、依頼撮影で人と一緒に仕事をするのはやっぱり楽しい。文章の本をコンスタントに出すようになって、前はよく仕事を頼んでくれていた雑誌の人から、作家さんだから撮影仕事は頼みづらい(大意)と言われたことがあり、やめて〜!と寂しくなった。ホームページをすっかり更新していないけれど、ペット保険会社のリーフレットや、企業のプロフィール写真なんかも頼まれれば何でもやっている。
このまま仕事が減っていくのかな、とかぼんやり考えていると、天気も合間って言い知れぬ不安が襲ってきて、すべてのことが無意味に思えてしまう。家に戻っても納品作業をする気になれず、気分を変えるためにとりあえず家を出る。すでに薄暗くなりかけているけれど、注文した本が届いたとISBbooksさんから連絡がきていたから、阿佐ヶ谷まで取りに行こうかと自転車で走り出す。でもなんだか向かう元気がわかず、近所のスーパーとドラッグストアに寄って必要なものを買ってまっすぐ帰った。
文学フリマのウェブカタログと配置図が発表されたと事務局からメールが届く。ブースがちゃんと申請通りに連結されていて一安心。近しい出店者の4人で連結したのだけど、みんな私の次に出すエッセイに出てくる人たちでもある。飯村くん、温度こといかりん、そして予感の高橋さん。……私も2文字にすればよかった。いかりんは時々、ラジオなんかで私のことを自費出版のメンターと呼んでくれるのだけど、いかりんのほうこそ私にとってメンターだと思う。今回のエッセイも書き上げるたびに読んでもらって、言葉をもらうことで助けられてきた。そう考えると飯村くんと高橋さんもメンターな部分がある。メンターたちを脇にガッチリ固めて、30日後に文フリへ乗り込みます。