29日後に新刊を出す植本一子(2024/11/2)
朝から雨。一瞬出かけるのをやめようかとも思ったけれど、電車で東京の東側へ。銀座線の田原町で降りて、ペリカンに並んで山形パン購入。予約せずに行ったから、好きなロールパンは買えず。合羽橋商店街を少しだけ覗いて、つい何かを買いそうになるけどやめておく。すべてが値上がりしてるように見える中、ドイツのリッターのピーラーだけが390円という安値をキープしていた。シンプルで安いのによく切れるリッター。うちはいま貝印のピーラーを使っていて、さすが大手、なかなかダメにならない。
通りがかりにブックオフを見つけて即入店。特にめぼしいものも見つけられず、自著の気配もなし。こちらにお住まいのみなさんに私の本は届いてませんか、と諦めかけたその時『さびしさについて』を発見。古本で売られているのを初めて見つけた気がする。しかもブックオフで。なかなかいい値段がついていたけれど、救出する気持ちで購入。
このためにここまできたといっても過言ではない目当てのTシャツを買い、山手線で上野から恵比寿へ。渋谷から田原町に行くまでの電車でも『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を黙々と読んだけれど、本を読むために電車に乗っているようなところがある。読むのに一番好きなのは、新宿から千葉の各停総武線。荒川を渡ったり、空が広くて良い。『世界の終り〜』はだんだん面白くなってきた。
都写美で金川さんの映画上映へ。会場へ行くと、太田さんがロビーに座っている。これから後輩の半沢さんも来るらしく、先週の大学の講演会と同じメンバー。誰かしら知り合いがいるだろうとは思っていたけれど笑ってしまった。会場に入って端に一人で座ろうと思ったら、中央に玲児くんの姿が。隣に行くと日記を書いているところだった。A4の紙に読めるか読めないかの小さな字でみっちり手書きしている。玲児くんの日記はずっとこんな感じで続いているそうで、誰にも読ませないから一人称がないのだとか。その日にあったことをとにかく羅列しているらしく、でも書くことと書かないことの取捨選択は当然あると言う。玲児くんにとって日記を書くことって、どんな動機があるのかが気になる。最近私もnoteで日記書いてるんだよと言うと、小さな声で「読んでる」と教えてくれた。
金川さんの映画はお父さんを撮影したもので、前半はサイレントだった。サイレント映画って初めて見たけれど、音の情報って思っていた以上に大きいのだな、と気づいたのと同時に、画が良ければ見れてしまうものだとわかった。何よりお父さんが画になる。後半はインタビュー風景を映像にしたもので、音声からの情報があるのにどこまでいってもつかみどころのない人で、これは撮りたくなるだろうな、と思った。来年1月には金川さんと玲児くんの共作が上映されるらしい。お父さんをどんなふうに撮ったらおもしろいかな、と上映後のロビーで玲児くんがつぶやいていた。
藤本さんから校正が終わったと連絡が入る。「ちょうど手が空いていて、集中してみっちりできました。」とのこと。まさかここまで早いとは思わず(中2日!)ありがたい&楽しみ&校正戻ってくるのって毎回緊張する。明日朝イチで取りに行く約束をする。