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40日後に新刊を出す植本一子(2024/10/22)

朝一にしーばからメールが届いており、お願いしてあった原稿を調整されたものが戻ってくる。いつも私が雑に書き終えたものを初稿にする前に、しーばが善意100%でやってくれている調整という作業。実際何がなされているのかは細かくわかっておらず、読みやすいように段落を作るのと、バラバラになっている数字を縦組用に直してくれているくらいだろうか。文字の統一はこれから出す校正さんから指摘が入るかもしれないけれど、きっちり統一しなくてもいいと思っている。自費出版という気楽さもあるし、ぶれてよし、というゆるさを自分に許したい。調整された原稿をデザイナーさんに送る。入稿は印刷所から11月12日を希望されているから、そんなに余裕がない。

夕方、気づけばあまり時間がない中、ダッシュで子ひとりぶんの夕飯を作る。フライパンで豚ロース肉を塩胡椒で軽く焼いて、その隣で焦げ目がつくまでピーマンを丸焼き、じゃがいもとわかめと油揚げの味噌汁。ピーマンの丸焼きは昨日の夜の会食で出たものを思い出して真似した。本当はヘタ付き種ごと焼く。ものの10分で完成。

今日は高校生の娘とミツとライブに行く。夏にみんなで沖縄旅行へ行った際に、車内で娘の好きな曲をかけようと、流れてきたのがMONO NO AWAREだった。私も好きだし、ミツも好きということがわかり、ライブ観たいね、と話が盛り上がった。後日ミツがライブスケジュールを調べてくれて、ちょうど予定があったのがこの日のビルボード東京だったのだ。娘の人生初ライブは、テーブル席のステージ真横、それも母親とその元パートナーも同伴という形になったけれど、目を輝かせてとっても嬉しそうにしているのを見て、こんな瞬間がこの先の人生で彼女にたくさんありますように、と隣で思うのだった。

仕事以外、知人以外のライブに行くのが私はかなり久しぶり。ステージに食いこまんばかりの、ほぼ真横の席ということもあって、サイドから当たる照明が逆光になり、ボーカルの玉置さんのスパンコールのパンツを透かして、足のシルエットがくっきりきれいに見える瞬間がある。そのピカピカとしたコントラストにクラクラしてしまった。ミュージシャンという存在のエネルギーが爆発する瞬間を見るライブというものが、そうだ、私は好きだったのだ、と思い出し、再確認するような時間だった。

ライブが終わっても20時前と早く、22時までやっているはずの森美術館で展示を見ようと三人で迷いながら歩いていくものの、今日に限って閉館が17時と早い日で見れず。六本木ヒルズの地下の店のジェラートをミツがご馳走してくれて、オープンエアの寂しいフードコートのような暗がりの場所で食べた。都市生活者の一日、という言葉が頭に浮かんだ。


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植本一子
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