コーポレートコミュニケーション担当と名乗り始めて その3(トレンドや他社事例をまずは社内に共有する)

社外に情報提供したり、取材対応をしたり、取材の手前の「このネタ記事にならないでしょうか?」というメディアアタックをしたり、いずれのタイミングでも大切にしていることがある。

これは多くのPR担当、コミュニケーション担当の方が言っておられることなのでみんな頭では理解していることと思うけれども「相手が必要としている情報を届けること(=うちの会社こんなにすごいんだよ!みて!とか、うちの新しいプロダクトこんなにスペックが上がったんだよ!もちろん買うよね?みたいなコミュニケーションじゃないってこと)」と「社会ごととか、トレンドと絡めたネタにすること(SDGsと絡めたコンテンツにしちゃうとか・・・NPOにいた身としては2016年頃には既にSDGsの話で盛り上がっていたので、ようやく今かい・・みたいな感覚はあるのだけれども。あ、意識高い系じゃないしマウンティングしたいわけでもないんです、ほんとに。ステイホームでお取り寄せが増えているけれど実際のところ本当のおいしさをみんなが家庭で引き出せているのかはわからんね、とか・・)」という2点。

一方でそれを並行して、もしくは先行してやっておかないといけないことがコミュニケーション担当にはある。それって何でしょう?(個人によって意見も違うと思うけど、ここからはあくまで私がやっていることとして読んでもらえれば)

私が社内に対してやっていることは、「社外コミュニケーションのトレンドを、社内にも共有しておくこと」、「他社がやっているコミュニケーションの事例を貯めておくこと(必要に応じて共有もする)」。

1.  社外コミュニケーションのトレンドを社内に共有する

これはべつに動画広告の会社の営業担当の方のように語れって言ってるわけじゃないです。インフルエンサーマーケティングの会社の営業担当のように語れといっているわけでも、在庫処理のためのちょっとお得に販売できちゃうサイトの営業担当のようになれということでもない。

でもなぜ大切なのか。事例で説明↓↓

あなたはA社のPR担当。今度、Mという商品ブランドのプロモーションに予算を集中投下することになりました。施策はターゲット層である臨月を迎えたパパママ向けのクローズドなオンラインイベントと、その様子のオンライン配信(アーカイブ有)と、連動させた自社SNSアカウントでのフォロープレゼントキャンペーン、そしてイベントのオンライン告知広告の配信。

イベント当日に向け、営業チームにお願いして、Mを取り扱ってくれている販売店での棚を当日広く取れるよう、なるべく目立つところに置いてもらえるように商談を進めてもらう。その後方支援として、販促チームにお願いをして店頭に置くPOPやチラシのデータを作成し、当日に間に合うよう入稿・発送の手配もお願いする。新規営業チームも、当日に向けてより多くの売り場が取れるよう、既存店以外にも営業提案書とサンプルを持って商談に行ってもらう。イベントの実施にはもちろんそこそこの予算が必要なので、予算執行権者への説明と承認も必要。社運をかけたキャンペーンであれば経営陣にも説明をしてGOを出してもらう必要が・・・それを並行してイベントやキャンペーンの準備をする・・あぁ目が回る(独り言)。

ところが問題が発生。営業担当の方からの問い合わせ電話が鳴り止まない。「そもそもクローズドなオンラインイベントって何?」、「Z●●Mって何?どうやったら入れるの?」、「SNSでのオンライン配信ってどうやったら見られるの?」、「うちの会社ってSNSのアカウント持ってるの?どうやったら見られる?」、「SNSで広告を出すって誰に見えるようになっているの?」、「タイアップする●●(有名人やインフルエンサー)って初めて見たんだけど何やってる人たちなの?」などなど・・・FAQ作ったのにみんな見てないわねー!って言いたくなるのはぐっとこらえ「そうか、私の資料の作り方が悪かったか。。。」と5秒だけ内省しましょう。5秒でいいですよ、5秒。

そう、営業担当の方はコミュニケーションやプロモーションのプロではないし、アンテナの高い方なら既に知っていて、イベント情報や提案書さえお渡しすれば自分でどんどん開拓していってくれる。けれども全ての営業担当の方がそうである可能性は、私があつもりのチョコエッグを3個買って、その中にまめきちもつぶきちも含まれている確率と同じくらいかもしれない。そうすると、この企画のタイミングで、必要最低限の情報(上記の質問などを網羅したFAQと参考資料)を提供するか、普段から「関連業界ではこんなコミュニケーションやプロモーション、キャンペーンやってますねーよかったら商談のときの小ネタにも使ってくださいねー」と伝えておく。なかなか忙しいと手が回らないところではあるけれども、これを積み重ねていくと中長期的にみたら楽になるというか効果が大きくなってくるのでぜひやっていきたいところ。

※そしてこれもこちらから配信して「伝えた気」になっていると危険で、大多数の人が忙しくて(※忙しくてってことにしとこう・・)読んでくれてないことも多いということも理解しないといけない。1回送ったからもう知ってるでしょ、じゃなくて類似事例を解説つきで何度も、テーマをかえたり切り口を変えてお知らせすることもあきらめてはならぬ。そのために必要なのが「今のトレンドはこんなかんじだよ〜」と知らせるだけではなくて、営業担当の方であれば同業他社であったり、コラボレーションできそうな他社であったり、いずれにせよ関連する企業や商品のテーマだと読んでくれることが多いし、販促担当の方であれば業界など関係なくとにかく販促ツールの新しい事例とか効果が出ている事例とか小ネタ的なものを共有すると喜ばれるとか、社内向けの情報提供やコミュニケーションも相手目線で動いて作っていかなきゃいけない。

で、あきらめずにやっていると「あーまた何か配信されてきたな」って読んでくれる人が増えたり「配信してないけどこんな事例があるよ。これもまとめて」って情報提供してくれる人が現れたり、「コミュニケーション担当のいっちーは何かおもしろいからちょっと話してみたいな」って思ってくれる人がでてきたり、配信の最後に書いたこぼれ話で「いちごタルトのおいしいお店探してます」ってのに反応しておすすめのいちごタルトを教えてくれる人が現れたり、社内メンバーとのコミュニケーションの種も自分でまくことができるのであーる。

つづく。


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