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都会に住まなくていいとわかった。去ることにした

都会を去ることにした。
2年半のあいだ、縁もゆかりもない田舎で移住者として過ごし、都会で働きたくて34歳で札幌に転職。

住まいは
畑に囲まれた公営住宅から鉄筋のアパートに変わった。

仕事の服装は
つなぎの作業着からスーツに変わった。

職場は
農場からオフィスに変わった。

取引先への言葉づかいは
「○○っすねー」から「○○でございます」に変わった。

すべてが変わった。
変わりすぎて、はじめは転職先の仕事が楽しくてしょうがなかった。

環境が180度変わった感覚。
一般常識や道理が存在しない閉鎖的な農村地域を去り、「企業社会の象徴」とも呼べる都会に住み、正真正銘のサラリーマンとして働けるようになった実感。

はじめは本当に幸せだと思って働いていた。
けれど時間が経つうち、だんだん見えてきたのは、息つくヒマもないほど忙しい仕事の日々。

次々に降りかかってくる案件に追われ、終わらない仕事を家に持ち帰って土日にも働く。

そんな毎日のなか、週5で自宅と職場を往復する日々に疑問が湧いた。
都会という、無数に立ち並ぶコンクリートの箱のなかに、無数に人が詰め込まれている世界。

そんな「巨大な冷たい機械」のような世界のなか、
会社の命令に従い、つねに誰かに管理され、人事評価で容赦なく点数をつけられる環境でギアのごとく回り続ける日々。

ぶっちゃけ疲れた。
で、うつと診断された。

この働き方はムリだと思い、会社を辞めた。
いままでの生き方を、見直すことにした。

世の中には、いわゆる「競争社会」に向かないタイプの人たちがいる。

純粋な人とのつながり・温度感のなかで情熱をもって働き、日々を平穏に暮らすのが好きな人たち。定量的な実績とか、ひたすら売上を追いかけるとか、そういうものに息苦しさを感じるタイプの人たち。

たぶん僕もその一人だ。
僕のような人間にとって、「都会」という世界はたぶんあまり合わないんだと思う。

もっとスピード感がゆるめで、緑が豊かで、きれいな花があって。
朝に窓の外から鳥の鳴き声が聞こえて、さわやかな気分で起きられるような。

そういう環境で過ごすほうが、やっぱり幸せでいられるんだと思う。

もちろん札幌には、楽しい物事、美味しいカフェとかがたくさんある。
モリヒコなんて好きすぎて何回も行った。(笑)

モリヒコまじ最高!

休日に行きつけの「大通の情報館」には、知的好奇心の高い人たちがいつも集まって黙々と勉強している。

テーブルに山積みにしたビジネス書を、真剣な顔つきで読んでいる男の人をみて、「この人は何者なんだろう・・?」と興味をもって話しかけたくなったこともある。

いろんなすごい人たち・魅力的な人たちがたくさんいるんだろうなと思うし、そういう人たちを見るたびに刺激をもらえる。

ただ、自分のように、わりと繊細で物静かなタイプの人間は、都会には長く住み続けなくていいかなという結論になった。

というわけで、移住1年で札幌を去ることにした。
はえーよみたいな。(笑)

でも、この地で新しいことも学べたし、いろんな経験もできた。
すべて良しとしよう。

自分で行動して、体感する。
ときに失敗して、肌で感じて学ぶ。

そうやって成長しながら、自分にとっての「豊かな生き方」ってやつを、少しずつ見つけていけばいいんじゃないかな。

つぎのステップに進もう。
これから、ここから。

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いちきた
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