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パートのおばちゃんたちにミカンをあげて起きたこと

20代のころ、ホテルで客室清掃のバイトをしていたとき。地元のパートのおばちゃんたちと一緒に働いていた。

そのバイトを始めたての頃、おばちゃんたちのなかには、こちらにたいして他人行儀でサバサバしてる人も多かった。

あるとき、僕の自宅に友人からミカン10kgが送られてきた。食べきれないので職場の人たちにも分けた。もちろんパートのおばちゃんたちにも。

そのあと仕事中、普段サバサバしてるおばちゃんと廊下ですれちがうとき、少し気まずそうに声をかけられた。

「あー、なんだっけ、あれ、ミカンごちそうさまでした。すいません」

以来、おばちゃんたちの態度がどこか変わったような気がした。

ベッドのシーツを剥がしながら世間話するようになったり、かるい冗談を言い合って笑ったり。たまに「これ食べな」とアメ玉をくれたり。

サバサバしていたおばちゃんも、ちょっとにこやかになっていたり。

あのときミカンをあげたからだろうか。

なにか価値あるものを分かち合うと、人との関係や環境が豊かになるのかもしれない。

そんなことを感じた出来事だった。


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