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「陰影礼賛」谷崎潤一郎
「細雪」に続いて「陰影礼賛」を読みました。
有名どころから押さえるタイプ 笑
私の買った文庫本は6章で構成されていて、
一番最初の章が「陰影礼賛」です。
ここでは主に日本と西洋を比較しながら、
日本の建物や能などがもつ陰影(闇、隈)についての
考察が展開されます。
最も印象的だったのは、
ようかんを食べるくだりです。
ほの暗い日本式建築の家の中で食べるようかんは、
「味に異様な深みが添わるように思う」。
これは暗いところで視覚が制限されることにより、
味覚が鋭くなった例です。
また漆器は蝋燭の弱い光に照らされることで、
本来の深みがたち現れ、
手触りにも意識が向かうようになります。
弱い光とそれによって生じる陰影は、
触覚も鋭くする。
明るい場所ではどうしても視覚優位になりがちですが、
ほの暗い場所では他の五感も同じくらいの強さになるということだと思います。
昔ながらの日本家屋で蝋燭を灯しながら
食事をする店があったら面白そう。
写真撮影のフラッシュも禁止にして。
今流行りのインスタ映えからはかけ離れてしまうけど。
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