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読書感想文

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読んだ本の感想文・メモ。実用書が多めです。
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『「物語」の見つけ方』を読んで:2022年の抱負に当てはめて考えてみた

あけましておめでとうございます。未来ストーリー作家の蒼樹唯恭です。 年末の数日で、たちばなやすひとさんの『「物語」の見つけ方』を読みました。 もともとnoteのイベントで本書を知った私。イベント自体には参加できなかったのですが、タイトルに「物語」と入っていたため気になって購入しました。 2022年はもっと未来ストーリー作家として活動していきたいと思っているので、その勉強になればと考えたのです。 読後の感想と「CQ」ここからは、本書を読んだ感想です。 ※ 今まで自分

SNS は怖くなかった

こんにちは。 小説ライターのかすがい りなです。 私はもともとSNSが怖いと思っていました。 「SNS って怖い」「苦手だな」と思ったのは、テレビで流れてくる炎上の話題を繰り返し見たことがきっかけです。 でも、最近は仕事(起業)でSNSを使うようになり、note だけではなくインスタグラムやフェイスブックに毎日ログインするようになりました。 投稿を続けているうちに、「いいね!」やコメントを少しずつもらえるように。ゆるい繋がりが生まれました。 そうした

小田桐あさぎ『嫌なこと全部やめたらすごかった』

こんにちは。 小説ライターのかすがい りなです。 今回は、タイトルが気になって買った『嫌なこと全部やめたらすごかった』を読んで、衝撃的だったことについて。 タイトル通り内容も「すごかった(=ぶっとんでた)」! 著者は女性起業家として有名な小田桐あさぎさん。本書の他に『「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本』が発売中です。 本書は仕事や育児、家事など一般的な「常識」とはかけ離れた、あさぎさん流の考え方のエッセンスが詰まった一冊。 親しみやすい言葉使いと、赤

【ルピ・クーア『ミルクとはちみつ』に心震える】

こんにちは。 小説ライターのかすがい りなです。 今回は、最近読んだルピ・クーアの詩集『ミルクとはちみつ』について。 この詩集との出会いは、私がWebライターの仕事で詩集についての記事を書いたとき。 作者の経歴とオシャレな表紙が印象的で、アマゾンで購入しました。 「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーリストに1年以上ランクインしていたということなので、ご存知の方も多いかもしれません。 (私は普段、あまり詩集を読まないので、記事を書かなければこの

【ドラマ・アウトランダーに夢中です♥️】

『アウトランダー』に、 アマゾンプライムで見事にハマりました。   元々ファンタジーが好きなのですが、 スコットランドの美しい自然と ダークなストーリーがツボです。   恋愛要素もしっかりあり、 かなり濃厚なので 大人の女性向け。   ドラマだと暴力シーンが結構あり、 そういうものが苦手な私は、  「小説なら生々しさが薄れて良いのでは?」  と同じアマゾンで文庫本を購入(笑)    ドラマはシーズン7まである(今ところ)ので、 長

【じっくり読書したい人におすすめ】小松左京『復活の日』

こんにちは。 子育てしながら小説を書いている  かすがいりな です。 今日は日本SFの大家・小松左京の 長編SF 『復活の日』をご紹介します! 復活の日 (角川文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/404106581X/ref=cm_sw_r_u_apa_glt_i_1GKXVGVSE6NG9MEVW5FW?_encoding=UTF8&psc=1 家で過ごす時間が増えた今、 じっくり読める長編SF は 自分時間を充実させるのにピッタ

「愛着障害 子ども時代を引きずる人々」岡田尊司

「愛着障害」という言葉を この本を読んで初めて知りました。 発達障害は聞いたことがありますが…。 2つの違いは 障害の原因が先天的か、後天的かのどちらであるか。 ▪️発達障害…生まれつき脳に障害があることで現れる ▪️愛着障害…(ストレスの多い)養育環境によって現れる どちらの障害も人間関係を上手く築きづらいために、 生きづらさを感じやすくなるという共通点があります。 1:愛着障害とは?愛着障害に対する私の理解↓ 「両親や養育者とのあいだの愛情(信頼)関係が不安定だ

自意識過剰な三四郎と、魔性の女ミネ子

【今回のおススメ図書】 夏目漱石『三四郎』 <あらすじ> 熊本から東京の大学に入学し、 今までとは全く違う世界に戸惑いながら、 そこで出会った人々と交友関係を深めていく主人公・三四郎。 ある日、三四郎はミネ子という女性に出会う。 三四郎はミネ子に惹かれていくが、 なかなか自分の好意を伝えることができず、 最終的に彼女は別の男性に嫁いでしまう。 読んだことがある方はご存じだと思いますが、 いわゆる恋愛小説ではありません。 三四郎の心の動きを丁寧にかつ冷静に追っていく

「思考の整理学」外山滋比古

こんにちは。 今日は言わずと知れた名著、 「思考の整理学」についてです。 何度も読み返しましたが、 その度に新しい発見がある本書。 考えることについて、 深くかつ平易に語られています。 表紙のイラストが (絵本)画家の安野雅光さんであることに 今回、初めて気付き驚きました。 「なんでこの絵にしたんだろう?」と いろいろ想像するのも面白いです。 今回は3見出しあります。 1:グライダーとコンピューター「思考の整理学」は6パート構成で、 各パートがいくつかの章から成

働く意味-『悩む力』(姜尚中 カンサンジュン)

こんにちは。 昨日、久しぶりに『悩む力』(姜尚中 カンサンジュン)を読み返しました。 本屋さんでカンさんの新刊を見かけて、 懐かしくなったので。 10年以上前(2008年)に出版されたものですが、 当時カンさんの指摘していた日本社会の状況は 今も続いていると感じます。 むしろもっと、のっぴきらないところまで進んでいるのではないでしょうか。 本のなかでもっとも印象的だったのは、 第6章-何のために「働く」かです。 カンさんはお金、他者から(へ)の承認をキーワードに

働くことは生きること?

今、谷崎潤一郎の「陰影礼賛」を読んでいます (影、の字は難しい方のですが変換できず)。 そのなかで昭和6年(1931年)に書かれた考察 「恋愛及び色情」のある部分が、 現代にも通じているなぁと思ったので 一部抜粋しました。 (p123-124) 善くも悪くも、とにかくわれわれ(日本人)は刻苦精励して、武士は武を研き、農夫は耕作にいそしみ、年中たゆみなくせっせと働いていなければ国が立って行かなかった。 もし少しでも気を緩めて平安時代の公卿のような安逸な生活をつづけていれば、

「陰影礼賛」谷崎潤一郎

「細雪」に続いて「陰影礼賛」を読みました。 有名どころから押さえるタイプ 笑 私の買った文庫本は6章で構成されていて、 一番最初の章が「陰影礼賛」です。 ここでは主に日本と西洋を比較しながら、 日本の建物や能などがもつ陰影(闇、隈)についての 考察が展開されます。 最も印象的だったのは、 ようかんを食べるくだりです。 ほの暗い日本式建築の家の中で食べるようかんは、 「味に異様な深みが添わるように思う」。 これは暗いところで視覚が制限されることにより、 味覚が鋭くな

『世界は贈与でできている』読書感想文ー子どもからもらったもの

「世界は贈与でできている 資本主義社会の『すきま』を埋める倫理学」(著:近内悠太)は、岸田奈美さんの読書感想文コンテスト(キナリ読書フェス)で課題図書になっていた書籍です。 キナリ読書フェスという面白い企画があったことを、私はフェス終了後に知ったので参加できなかったのですが(もったいない…)、本書の読書感想文で大賞を獲った方が「子育てしている人に読んで欲しい」と書かれていたので、読んでみました。 いつもは何も持たないのですが、シャーペンを片手に。もちろん、キナリ読書フェス