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もう連休前には戻れないから、わたしはアップデートしたことにする。




いつものことなんだけど、大型連休明け初日は心も身体も仕事に戻っていかない。




すぐに人をダメにするソファでダメになりたくなるし、買いだめしたアイス食べたくなるし、青空の下をドライブに繰り出したくなる。どよんとした雰囲気のデスクにじっと座って数字とにらめっこするなんて、考えただけで気持ちまで暗くなる。

何か楽しいことないかな~なんて探してみたところで、大型連休前のあのわくわく感に勝るものってなかなかないのよね。今年は例外だったけど、花火にお祭り・ライブに海。へとへとになってもまだまだ遊んじゃうぞ!って気分がお休みの間中わたしの頭を駆け回っていて、夜もろくに眠れない(それは酷暑のせいだけど)。

そんな一年に数えるほどしかないメインイベントを終えた今、わたしは何を楽しめばいいというのだろう。というかどうやってこの沈みそうな気持をいい感じの方向へもっていくことができるんだろう。PCデスクの前で考えていた(仕事しろ)。



偏見かもしれないけど、海外では「今年の夏休みは一か月半だった。実にいいバカンスだったよ」なんてこんがり焼けた肌に白い歯を輝かせてからりと笑っているイメージがある。

なのにどうして自分はそうじゃないんだろう。「次の連休は四か月後か…」なんて絶望しながら働いているんだろう。

いつだったか、日本は海外でも有数の労働時間の長い国だという話を聞いた。ググってみると今はそんなこともないようだけど、自分の感覚的には仕事をしていないプライベート時間が少ないなぁとしみじみ考えてしまうことが多々ある。

そんな中、短くも楽しい連休が終わったらそりゃあ悲しくもなる。



じゃあわたしも夏休みを一か月半くらいとってしまえばいいんだ!と思ったけど、たぶん休み明けにはなくなってるよね、わたしのデスク。そもそもそんなに有給ないし。言い出す勇気もないし。

どうしよう、このままじゃお先真っ暗だ。どうにかしてあの灼熱の太陽の下で遊びまわったあの日に戻りたい(正確には冷房の効いた部屋で12時まで寝て、アイス食べながら読書するあの日だけど)。

そう思ってわたしは、「良いバカンスだったよ」と言いながら仕事がわたしに追いついてくるまで待つことにしてみた。



意味が分からないと思う。わたしもよくわからないけど、可能な範囲で説明してみる。

そもそも「心と体が仕事に戻っていかない」ってなんだろう? 

戻るっていうのはつまり心と体を連休前の状態にするってことだ。だけどよく言われる「良いバカンスだったよ」って言葉、あれは一度仕事から離れることによって芯からリフレッシュし、生まれ変わったような気持ちになるってことだよね。

それを起点に考えてみると「戻る」っておかしいじゃん。リフレッシュ前に戻ってどうすんねん。むしろ新しく生まれ変わったわたしに仕事が追いついてくるべきでは?と思ったのだ。

でも仕事だって一度は全部ストップしたわけで、それが急に「ほら! 追いついてきて!」って言われたって無理な話だよね。うん、うん、わかるよ、その気持ち。

じゃあこうしよう、仕事とわたし、ふたりがまた足並みをそろえて働けるまでゆっくり息を合わせていこう。大丈夫、連休前は仲良くやってたんだからすぐあの頃のふたりに戻れるさ。アハハ、ハハハハハh………

みたいな気持ちで仕事をはじめることにした。



すごく無駄な説明が長くなったけど、要は「最初から飛ばしすぎない」ように仕事をはじめたのだ。

だって休みは楽しかったし、通勤は面倒くさいし、仕事は長いし。もうそう思うのは仕方ないこととして受け入れて、自分の心と体と相談して仕事をしていく。

決して休みの間の楽しかったことも、仕事が嫌だなぁと思う自分のことも否定しない。ましてや連休前に戻れない自分にも罪悪感を持たず、むしろ「連休中に自分はアップデートした」くらいの気持ちでのぞむ。




さ、残りの夏もゆるっと働きますか。

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