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一人で抱え込まないで!市原市の子育て応援団【こども家庭センター】①

ICHIHARAISE(イチハライズ)では2024年7月から6回にわたり、「孤独・孤立支援に取り組む市原市の福祉団体」特集を組むこととなりました。
(詳しい参考資料は、【「生活の困りごと」の頼みの綱!市原市社会福祉協議会とは】の記事をご覧ください。)

とはいっても、記事を担当するライターたちも「福祉」に縁遠い一般人。
「福祉って何だろう?自分が○○で困ったとき、どんなところに頼れるんだろう?」という素朴な疑問をもとに取材していきます。

第3回目となる9月は、市原市こども家庭センターにお邪魔しました!

市原市役所第1庁舎内にある、児童福祉を担当する①子ども家庭総合支援課
いちはら子ども未来館(weほーる)内にある、母子保健を担当する②子育てネウボラセンター、児童発達支援を担当する③発達支援センター地域支援室
この3箇所をまとめて市原市こども家庭センターと言います。

いただいたパンフレットを見ると【妊娠・出産・子育てのワンストップ相談窓口】との事。
実際取材してみると相談窓口でもあるけれど、一緒に並走して子育てをする応援団であることがわかりました。
こんな心強い応援団が市原市にあるなんて!

今週と来週に分けて、詳しくお伝えしていきます。



①子ども家庭総合支援課(市原市役所第一庁舎内)

ちょっとした相談はこちらでお話を伺います。

市役所内にあるといわれると「ちょっと敷居が高くない?」「こんな大した相談でもないのにわざわざ市役所の人に聞いてもらうのも…」なんてためらうことありませんか?
実はそんなこと全然気にしなくて良いのです!

――18歳未満の子どもとその家族を対象とされている、子ども家庭総合支援課を簡単に分かりやすく説明をお願いします。

保健師/Hさん(以下、敬称略:H):子ども家庭総合支援課なのでお子さんのいらっしゃる家庭に対して幅広く支援しています。
相談の種類は人により様々なので、それぞれの相談に個別に対応しています。

――具体的にどんな相談があるのでしょうか?

H:思春期のお子さんとのやり取りでどうしても喧嘩になってしまい、そこでヒートアップしすぎちゃって対応に困っている、という相談をお母さんから受けたりします。

社会福祉士/Sさん(以下、敬称略:S):他には、市原市に転入してきたばかりの方で、お母さんが一人で家事育児をやっていて、その中でいっぱいいっぱいになってしまった方がいまして…。
お友達も親族も近くにいない、ママ友もまだできてない、それなのに環境が変わって子供たちもいっぱいいっぱいになっているし「もうどうしたらいいですか?」というお電話をいただいたこともあります。

また、お子さんが言うことを聞かない、母子関係がちょっとうまくいかない、あとはパパと娘がうまくいっていないといった相談を受けることもあります。

――「パパと娘がうまくいっていない」というような相談でもいいんですか?

S:それでお母さんのストレスやモヤモヤが少しでも解消されると良いのかな、と私たちは思っています。
お父さんお母さんが元気じゃないと子供も元気で過ごせない、と日々感じています。
本当に遠慮なく吐き出してほしいです。

相談先がないのであれば、 ここで相談を受けます。

――本来であれば親などの家族に相談したり、友達に聞いたりすることをこちらに相談しにいらっしゃるという感じですね?

S:みんながみんな、相談相手がいるわけじゃないんです。

保健師/Wさん(以下、敬称略:W):例え家族がいたとしても関係性は良くなくて相談できない、という方もいっぱいいらっしゃいます。
遠方なので相談できないという方もいますし、だから自分で何とかしなければ…という風に抱え込んでしまう方が多いんです。

あとは18歳未満のお子さんも対応していますので、中高生のお子さんご自身からのご相談もあります。

H:ちなみにこのように受けた相談から「こういうサポートがあれば、もっと子育てしやすいのに」というご意見を取り入れて、事業を作り上げています。
この前見ていただいた親子関係形成の事業、ペアレントトレーニングもそうです。

――トリプルPグループセッションですね。
講座の初回のみ拝見させていただきました。

〔トリプルPグループセッションの様子〕

H:「きちんと子育てのことを知りたい」というお母さん方のための事業なんです。
今情報がすごく溢れているので、それに振り回されてわからなくなり、迷子になっちゃうお母さんたちも多いんですよね。
それならば、きちんとしたエビデンス(根拠)のある情報を届けたいっていうことで、トリプルPグループセッションを開催するに至ったわけです。

――託児もあって、先生が「今は自分のための時間だよ!」って仰っていたのが印象的でした。
初回にも関わらず、同じ悩みを持つ者同士すぐに打ち解けた様子で、講座が終わるころには笑い声も聞こえていましたね。
私も「次があるならぜひ申し込みたい」と思う内容でした。


◆ここは【子育てをしているお母さんたちの応援団】

H:お母さん達が元気に過ごすためには、自分のための時間や休みというのは必要だと思うんですよね。
日本人はそういうのを取るのがすごく苦手なので。

――確かに、そうですよね。
そのために必要な、お子さんの一時預かりについて教えてください。

H:日中の一時預かりであれば、保育所で一時預かりをしています。
保育所に入所してないお子さんでも、例えば「受診したいのでこの日に預かってほしい」とか、もちろん「リフレッシュしたいから預かってほしい」という理由で利用してもらってもいいんです。
利用したい場合は、実施している保育所に直接申し込んでいただきます。

「保育所の一時預かりを使いたいけどどうやって使ったらいいかわからない」とか、「色んな子育て支援のサービスがあるけど使い方がわからない」という方には、ご様子を伺いながら、活用いただけそうなサービスのご案内をします。

また、色々な事情があって「そういったものを使いたいけど使えない」という相談もお受けします。
それぞれの家庭の状況によってですが、例えば費用の減免(負担を軽くする)とか、そこまで行く移動手段がないということであればその移動の部分も「こういうものを使えますよ」という提案をしたりします。
その方々の困り事やその状況に応じて、個別にコーディネートしていくイメージですね。

一時預かりの他にも、ショートステイトワイライトという、お泊まりや夜の時間帯のお預かりをするサービスもあります。
そういったところに関しても「使いたいんだけど、どこにどう相談すれば良いの?」という方の相談をお受けしています。
本当に子育てをしているお母さんたちの応援団というような気持ちでお手伝いさせてもらっています。


◆もっと気軽に相談してほしい。そんな怖い人たちじゃないよ。(笑)

相談内容を人に聞かれたくないという方には個室も用意してあります。
小さなお子さん連れにも対応可能で、おもちゃなど用意されていました。

S:お子さんがしっかりご飯を食べて、外で遊んで、ニコニコして、というのがどれだけ大切なことかというのがここにいるとわかるんです。

親だって色々な状況が重なれば、いっぱいいっぱいになってしまう【人間】です。
助けてくれる人がいなければ、疲れてしまうこともあると思います。
私たちが支援しても、全ての方が頑張れるってわけでもないのはわかっています。

でもやっぱり、お子さんとお父さんお母さんが楽しく過ごしてくれればいいなっていう思いが根本にあります。
問題が埋もれちゃって気づいた時には重大事故になっていた、というのが一番怖い。
いっぱいいっぱいになる前に話してもらった方が、皆さんのためにも良いと思います。

――確かにその通りですよね。
その相談を聞いてくれる、相談員さんのお話を聞かせてもらえますか?

W:専門職として学んできているのもあると思うんですけど、みんなすごく熱意を持って対応してくれています
色々支援する中で「他人事とは思えない」「何とかしてあげたい」という思いが強くなることはよくあります。

だから相談を受けているときも、親御さんに対して「お母さんみたいなこと言ってしまうけどいい?」と言いながら「ここはこういう風に思うよ」みたいな伝え方をするときもあります。
逆にお子さんに対しては「きっとあなたのお母さんこうやって思っていると思うよ」みたいな、第三者だから伝えられる言葉もあって…。

長い経過の中で「環境が良くなったよ」「成長して元気にしてるよ」って顔を見せに来てくれるとすごく嬉しいんです
やっぱりそういうところがこのお仕事の醍醐味でもあるのかなと思っています。

H:相談員さんたちもみんな子育て経験がある方々なんです。
職種は保育士、看護師、社会福祉士や学校の先生などそれぞれなんですが、専門の知識も経験も持ち合わせています
だから本当にお母さんたちと共感したり、時にはそうやって自分のお母さん代わりになってくれたりして、寄り添って並走して一緒に子育てをしている本当に応援団みたいな感じなんです。

――とてもありがたいお話ですね。
「なんでも相談していいよ」とか、知らないことを教えてくれるとか、私も早く頼ればよかったと思いました。
相談方法はどのような形がありますか?

H:電話面談オンライン(Zoom)でもやっています。

S:できれば来る前に、事前にお電話いただけると嬉しいです。
すでに予約が入っていることもあるので。
でも、もし切羽詰まっていたら今すぐ来てほしいです。


まとめ

相談に行ける方はまだ良いほうで、その辛い状況の中にいるときは声すらあげることができない方もいるかもしれません。
いや、辛い状況に置かれていることにすら本人は気づいてないのかもしれない…。

だから、近くにいる方が教えてあげてほしいと思いました。
「なんでも相談を聞いてくれる人がいるらしいよ」「こんなサポートもあるらしいよ」と。

それで少しでも気になることがあったら、市役所の子ども家庭総合支援課へ足を運んでほしい。
いや、電話でもオンラインでも連絡してほしい。

一人でも多くの方にこの市原市には子育て応援団があるんだよって知ってほしいです。

来週はいちはら子ども未来館(weほーる)内にある、子育てネウボラセンターと、発達支援センター地域支援室の情報をお伝えします。


【市原市役所 子ども家庭総合支援課(こども家庭センター)】

 住所:市原市国分寺台中央1-1-1
    市原市役所第1庁舎1階

 時間:月~金曜日(祝日・年末年始を除く)
    8:30~17:15

【相談方法】
 ・電話相談     :0436-23-9746
 ・面談による相談  :事前にご連絡ください
 ・オンライン相談予約:予約フォーム(家庭児童相談)
            https://logoform.jp/form/bqJz/8631

取材日:2024年7月10日

※記事の情報は取材当時の情報のため、最新の情報とは異なる場合があります。
ご了承ください。

ライター:悠理(ゆうり)


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