
八百屋の理想と現実。
お店を改装して再出発することに。
親父から、お店を引き継いだぼくは、考えました。
以前のような、なんでも揃うスーパーマーケットではなく、もっと得意なことに限定した、じぶんが行きたくなるようなお店にしよう!と意気込んでいました。
まずは、親父に借金してお店を改装し、以前のイメージを払拭することにしました。
品ぞろえは、限定的にして、地元で採れた鮮度の良い野菜や果物、そして、それらを使ったお弁当と、焼きたてパンのお店にしました。
半年間の休業期間を経て、あたらしいスタッフとともに、意気揚々とスタートしました。
が、蓋をあけてビックリ。
ご来店くださるお客様が、ガッカリして、なかには怒り出す方までいらっしゃいました。
「こんなかっこつけた店をつくりやがって。俺らが求めてるのは、こんな店じゃねえよ。」
吐き捨てられるように、投げつけられた言葉は、楽観的だったぼくの目の前を真っ暗にしてくれました。
それから、半年分の記憶はごっそりと抜け落ちていまして、覚えているのは、なんでこんなお店にしてしまったんだろう。という責任感ゼロの後悔と、じぶんの足元すら見えていないような不安定な感情だったということくらいです。

それから7年。
そんな目の前すら見えていない日々から、7年が経ちました。
相も変わらず、不安定な毎日ですが、7年前とちがうのは、お客様の顔も、スタッフの顔も見えるようになってきたこと。
もちろん、良い時もあれば、そうじゃない時もありますが、それでも、なんとかしてやろうと、今は周りのひとの力を思いっきり借りて、踏ん張っている日々です。
次回は、今のお店の収益構造についてお話ししてみようと思います。
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