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閉園後の鴨川シーワールドに特別に入らせてもらった子供たちが出会ったのはあの人気者だった

我が家の子供たちは海の生き物に心の底から魅了されています。毎日魚のことを考え、魚のおもちゃで遊び、魚の絵を描き、魚たちと戯れることを夢見ています。特にサメやシャチやクジラが大好きで、自分で描いた膨大な数のサメなどの海棲生物の絵が部屋中に散らばっています。シャチとクジラは魚ではありませんが。

そんな子供たちにとって水族館はまさに夢のような場所のはずです。たくさんの本物の海の住人たちと会える場所なのですから。大歓声間違いなしです。そう期待して鴨川シーワルドに子供を連れて行ってみました。夜と朝の園内ツアーまでできるプランを予約して。そうしたら、思いもよらない展開が待っていました。

まず、夜と朝の園内ツアーについてご紹介します。

鴨川シーワールドは、千葉県鴨川市にある水族館です。シャチが有名な水族館ですね。その鴨川シーワールドに付属している鴨川シーワールドホテルに宿泊すると、無料で何度でもシーワールドに入園できるという宿泊プランがあります。入園料が大人3000円、子供1500円ですので、ありがたい恩恵ですね。加えて、事前予約すれば、閉園後と開園前のシーワールドを案内してもらえるサービスがあるのです。こちらは有料ですが、宿泊当日がシーワールド休園日の場合は、ツアー料金は無料となりますので、その日が狙い目です。

閉園後のツアーは、19時20分にホテルロビーに集合して消灯した夜の園内を係員の方が案内してくれて、眠っているアシカやシャチ、イルカ、ペンギンなどの生き物を見せてくれて生き物たちの生態や水族館の仕事を解説してくれます。

開園前のツアーでは、朝8時30分に集合してシャチの朝食や体調検査の様子を見せてくれます。ツアー終了後はそのまま園内を一番乗りで楽しめます。

どちらも普段は見ることができない生き物たちの様子や朝の開園準備の様子などを見ることができて、水族館を楽しみ尽くすにはぴったりのプランです。

さて、我が家の子供たちもシーワルドホテルに到着したその日の夜に、早速ツアーに参加しました。ホテル1階のロビーに集合し、係員の方の案内にしたがって専用の扉からシーワールドに入園します。ホテルはシーワールドに隣接しており、30秒ほど歩くと気が付けば園内に入っていました。消灯後のため、園内はまっ暗です。ところどころ灯に照らされた生き物たちが顔を見せてくれます。

まず目に入ってきたのはイルカです。イルカは完全には眠ることはなく、体の左右片方ずつ眠るそうです。右側が寝ている時は左側が寝ていて、左側が寝ている時には右側が起きているとのこと。群れからはぐれたり敵を察知したりする目的だそうです。片目だけ閉じて泳いでいる様子までは見られませんでしたが、チャプチャプ泳いでいました。

次はトドやアシカやセイウチをみました。岩場の影で眠っている個体が多かったものの、中には顔も見える個体もいました。するとここで突然、奇跡の出会いが訪れました。生まれて初めてセイウチを目にした2歳の子供は、それを憧れのトトロだと思ったようで大興奮したのです。「トットロだの!トットロだの!」と繰り返し真剣に指差します。夜の水族館で大好きなあのトトロに会えるなんて、どれほど素敵な体験でしょうか。もちろん、セイウチに似たトドもトトロにしか見えません。「トットロ!トットロ!」と純粋に喜ぶ幼い歓声を聞いていると、もうこちらまで目の前の海獣が夜のバス停でずぶ濡れになっているトトロに見えてきました。最後には、いや、これはトトロなのだ、トトロに会ったのだ、もはや疑いの余地なく、トトロに傘をあげた代わりにどんぐりのお土産をもらったのだ、と確信を持つようになっていました。素敵な出会いは子供の時にしか訪れないと思っていましたが、大人になっても出会えるんですね。

さて、その後はシャチを見せてもらいました。すぐ目の前を泳いでくれるシャチは想像以上に巨体で迫力満点です。本気で泳いでいるわけではないのははっきりとわかりますが、それでも波を揺らす姿はダイナミックです。子供たちはプールのすぐそばまで寄ってガラス越しにその力強い泳ぎと、可愛らしく顔を寄せて挨拶してくれるシャチを目にして、一発で夢中になってしまった様子です。素晴らしいです、シャチ。

他にもペンギンの睡眠を見せてもらったりして、昼間とは一味違う水族館を楽しめました。これは翌日の朝の水族館と昼間のショータイム本番が待ちきれないという期待感が高まる内容のツアーでした。

そして翌朝、8時30分にホテルロビーに集合して開園前ツアーの開始です。朝のツアーでは、シャチが体調を検査してもらっている様子を見せてもらいました。水槽をぐるぐる泳ぎ回り餌をもらっている姿はとても愛らしく、子供たちも朝の挨拶ができてとても喜んでいました。シャチさんのパワフルな魅力はさすがです。これは、ショーもきっと大盛り上がりになるはず。

9時の開園時間になるとそのままシーワールドの展示やショーの観覧を始めました。しかし、ここで子供たちが思わぬ反応を示します。

まずは前夜あれほど興奮していた「トットロ」ですが…、トドを見てもセイウチをみても無反応……。ふーん、という意外な反応です。あれ?トットロじゃない?暗いところでは間違いなくトットロに見えたのに、明るいところでよく見たらセイウチは正しくセイウチに、トドは正確にトドに見えたようです。てっきり再びトットロを見つけて狂喜乱舞するかと思って「ほら、トットロだよー!」と子供を抱き上げたのですが、「どうもはじめまして、トドさんですか。朝からお邪魔していますが、どうぞお構いなく」とでも言いたげなよそよそしい反応にこちらが驚きました。

加えて、イルカとシャチのショーですが…、いくらイルカさんが高々と飛び跳ねても「ねぇ、まだ終わらないの?」という驚愕の反応…。ついでに、大好きなはずのお魚さんの展示を見ても「早く行こうよ!」。

もちろん、水中で泳ぎ回るイルカさんと子供たちが見つめ合うという幸福な時間も少しはありましたが、最終的には正午を待たずに帰路に着くという想定外の結末を迎えました…。

どうやら、あまりに夜と朝のツアーが楽しすぎて、ピークをそこで迎えてしまったようです。昼間の水族館も十分楽しいと思うのですが、もう満足してしまったのでしょうね。それにしたってイルカやシャチのショーを見てもすぐ飽きてしまうとは思っても見ませんでした。親の方が喜んでいたほどです。子供は思い通りに行きませんね。夜と朝のツアーに満足できたということで良しとしたいです。

いかがだったでしょうか。まだ行ったことがない、という方はぜひ一度体験してみることをお勧めします。家族連れ、カップル、お一人の方、さまざまな方が参加していましたので、どなたでもきっと楽しめると思いますよ。 


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