鍵のない夢を見る 辻村深月
あらすじ
それぞれ、なんとなく人生うまくいかず、どこか後悔のような、もどかしさのようなものを感じている5人の女性たちが事件とかかわってしまう。お話です。直接、事件関係者ではないけれど、なんとなくうまくいかない人生とリンクしていくそんな微妙な距離感がよく出ている作品です。
直木賞受賞作です。
ここからネタバレ含む感想
事件は、窃盗、放火、殺人、殺人、誘拐。順番に書くと結構なことがおきているな…。
人生うまくいかない時、その原因となった最初の小さな原因、小さな躓きは何だろうと考えさせられる物語でした。この物語に出てくる女性たちはそれなりに恵まれた普通の女性たちなのですが、ある時遭遇した出来事でうまく対処できなかったり、間違った人と繋がったり、追い詰められてしまったりと誰でも陥りそうな状況設定なのが自分の身にも起こったかもしれないなぁと考えさせられました。
とは言え、それほど大したきっかけでもないので、自分の何がいけなかったのか…と考えると難しく感じました。
この本、以前に読む機会があったのですがいろいろあって読まなかった過去があります。もしこの本を辻村作品として最初に読んでいたらずいぶん印象が変わっていただろうなと思いました。本の読順って難しいなぁと感じた一冊でもあります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?