濱地健三郎の呪える事件簿 有栖川有栖
あらすじ
濱地健三郎シリーズの第3弾です。
コロナ禍でも起こる心霊現象にまつわる事件を心霊探偵濱地健三郎と助手の志摩ユリエが解いていくシリーズ。
コロナ禍の緊急事態宣言を受けて志摩ユリエも在宅で過去の事件のデータベースを作成するという仕事をこなす日々だった。昔の同僚とオンライン飲み会をしていたらオンラインの一人の後ろから子どもの手が出てきたが…。
ここからネタバレ含む感想
コロナ禍をテーマにしている短編集です。
短編集ですが、ところどころ後のお話につながるエピソードも出てくるので1話から順に読み進めるほうがお勧めです。
リモート飲み会、Uターン、コロナ感染症など現在起こっている状況をそのまま小説にしているのでとてもリアルです。
少し変わった依頼として第3話の「囚われて」は予想外の展開で面白かったのですが憑かれやすいように見えるその部屋の主がその後どうなるのか。どこかで探偵に依頼するようなことに陥るのか…と気になりました。
それから、第5話の「呪わしい波」は今までとは全く違う新しい展開だったので今後も探偵のライバルとして登場する機会や直接対決のようなことも起こるのかなと考えると楽しみなお話でした。
この物語の中で解決されていない志摩の元同僚のところに現れた幽霊は結局どうだったのかは気になるのですがまた別の話で登場するのかな…。
ガチのコロナ禍を描いているので10年後くらいに読み返すとまた違った面白さを感じる仕上がりになっているような気がします。