希望の糸　東野圭吾

あらすじ

警視庁捜査一課の松宮脩平は喫茶店オーナー花塚弥生が殺害された事件を担当することになった。聞き込みの結果、花塚を悪く言う人はおらず、動機のある人物も見当たらない。しかし、少し前からフィットネスとエステに通うようになったことを突き止めたことから男の影があるのではないかと考える。
そんな松宮に突然連絡したいという人物が現れた芳原亜矢子という料亭旅館を経営している女将とのことだった。父のことで話があると言われたため母に相談したら母からは会わない方がいいとアドバイスを受ける。

ここからネタバレ含む感想

新参者シリーズのスピンオフ版となるのかな、ところどころで加賀が少しだけ登場します。
殺害された花塚の周辺を探るとある男性が浮上する名前は汐見行信といい花塚の経営する喫茶店で時折親しそうに話している様子が他の常連客から目撃されていた。松宮たちは汐見に聴取するし、気になるものを感じるが殺害に至る証拠などはなかった。
殺人事件と松宮個人的なエピソードと全く別々に進んでいく話だが、出生の秘密という共通点を持っている。その状況が徐々に明らかになっていくが誰が犯人なのかその動機は何かの部分がなかなか見えてこないので途中で少し迷子になりながら読み進めるような感覚になりました。
真相がわかるとパーっと視界が開けるような感じですが、いろいろ不幸が重なっている事件だなともう少しいろいろ行き違いが無ければまた違った結末があったのにな…という印象を受けました。
松宮自身の抱えるほうは謎が多かったのですが、最後にある真実が明るみに出てそれですべて腑に落ちるという感じでした。