パンとスープとネコ日和 群ようこ
あらすじ
出版社に勤めていたアキコは、仕事上で長年の付き合いのある料理の先生に押されるような形で、亡くなった母の店舗を受け継いでパンとスープのお店を開いた。店員として雇い入れたしまちゃんと二人、お店を始めるが…。
ここからネタバレ含む感想
アキコの母は、女手1つでアキコを育てていた。母は一人で大衆食堂を営んでいて、毎晩常連客とワイワイと騒いでいた。そんな母を冷たく見つめていたアキコは、母の店を受け継ぐことにしたが、店を思いっきり改装して、店とは全く異なるパンとスープのお店を開いた。
お店の切り盛りで忙しくするアキコの唯一の癒しが一緒に暮らしているのが三歳の猫、たろだけだった。
母が亡くなって、職場では異動で今までとは全く違う部署に行くことになり、思い切って仕事を辞めて、スープとパンのお店を始める。独身で、マイペースなアキコは粛々と毎日過ごしているようにみえる。寂しそうでもなく充実しているけれど、いい人たちに囲まれていい人生を送っているように感じました。
それでも、アキコはひょんなことから父の寺の場所を知ることになり、そこへなんとなく出て駆けていき、父はもう亡くなっているのですが異母兄が住職をしていて、異母兄の奥さんには親切にしてもらいどこか癒されているので一人で生きるのは大変なんだろうなぁ~と心配になりました。ネコのたろが突然死してしまい心にぽっかり穴が開いたようなアキコですが、それでも毎日過ごしていくところが群さんらしいお話だなと思いました。