【コラム】鈍る不動産開発

物流施設の新規開発の動きが鈍っているようです。最大の要因は建設コストの上昇ですが、金利が上昇しはじめていますし、何よりコロナ禍での開発ラッシュの影響で、需給緩和している地域があり、開発コストの上昇を賃料に転嫁しづらい賃貸市場になっています。

物流REITの値動きもパッとしません。東証REIT物流フォーカス指数をみると、コロナ禍真っ只中の2021年12月1日の1,265.32を天井に、その後は下落基調で2024年7月11日現在では855.11となり、ピークから約3分の2の水準にまで落ち込んでいます。円安局面ですので、海外投資家を中心に不動産の取得意欲はしっかりとみられるものの、不動産開発後の出口として物流REITの存在感が低下している側面は否めません。

どのような商売も同じでしょうが、利益を確保するためには、売値を高くするか、原価をしっかりと抑えるかしかありません。不動産開発に置き換えれば、収益力向上のために、最近は冷凍冷蔵倉庫や危険物倉庫、またはこれらとドライ倉庫を複合的に組み合わせた開発で、賃料アップを狙う動きがみられます。また、建設コストは高止まりしているので、物流総合効率化法などを活用し不動産調整区域で開発することで、土地価格の抑制に努めるケースもあります。

2024年問題が典型ですが、物流業界は課題が山積しておりますので、その解決策としてソフト面だけでなく、不動産を含むハード面での対応も必要になります。なかなか厳しい事業環境ではありますが、弊社も少しでも知恵を出して、お客様に貢献していきたいと考えております。

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本稿は株式会社一五不動産情報サービスが運営する、開発が相次ぐ賃貸物流施設に関する情報を集約したウェブサイト「一五蔵」のメールマガジンで投稿されたコラムです。
一五蔵
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