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いちえ
2021年10月3日 11:25
わたしの家にはしゃべるピアノがあった。子供の頃、何て言ってるのかさっぱり分からなかった。男の人、女の人、おじいちゃん、おばあちゃん…色んな人の声がしていた。月日は流れ、どうやら落語家がしゃべっているらしいということが分かった。わたしはピアノ落語家の落語を聞くようになった。ピアノ落語家はずっと一方的にしゃべっているだけだった。中でもわたしのお気に入りは「時そば」だった。落語について
2021年10月12日 04:10
小学生になったばかりの頃、家族で海に行ったひとり砂遊びをしていると、どこかでキラッと光るものが見えた「なんだろう」近づいてみると小瓶が落ちていた中に白い紙が入っていたコルクの栓がしっかりはまっていてなかなか開かない「おーい、行くぞー」向こうで父の声がした私は急いで小瓶をズボンのポケットに入れ「あのね、さっき…」と言おうとしてやめた父に戻すように言われるかもしれない私だけの