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master of silence

静寂の階段ひとつおりるたび上にのぼつた。ひとに逢ふとは
──壱羽烏有



騒音とリラクゼーション音楽を聞いた時の脳の変化を見た研究があるそうです。
その研究では、なんと騒音と音楽の間の2分間の何もない音の時に、脳が一番リラックスしている状態をみせたのだとか。

最近、行く先々の静けさに様々な味わいを感じるとともに、その深まりに段階があるような気がしています。

そこで、静寂の味わいと深まりに特化して書かれた本がないかしら……?と探してみるも、なかなか見当たらず。
言葉はともすればノイズになるから難しいのでしょうか。
もちろん静けさは料理と同じようなもので、文章を読んでも味わえないのですけれど。

かろうじて手元にエックハルト・トールが一冊。

世界に静寂が感じられるなら、そっと耳を澄ませてください。……(中略)……
静寂に耳を傾けると、あなた自身の内なる静寂の次元が、目を覚まします。

エックハルト・トール「沈黙は語る Stillness Speaks」
(邦題「世界でいちばん古くて大切なスピリチュアルの教え」)


静寂の次元。すなわち、純粋な意識の場。
意識に気づくとき、内なる静寂が表層に現れる……のだそうです。

現れる静寂。

わたしはただ心静かに、場に満ちる静けさを味わっているだけ……。

そう省みると、静寂の場と時間を提供し、来訪者に分かちあっている人々を尊敬せずにはいられません。

エックハルト・トールの言葉を借りるなら、かれらは純粋な意識の場をあらわれとして提供しているのですから。

もし静寂の師、伝授というものがあるなら、かれらのような感じかしら……。

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