構造素子(樋口恭介、早川書房、2017年11月21日)
気になったので、構造素子(樋口恭介、早川書房、2017年11月21日)を読んでみた。ぎっちりと重層的にさまざまな情景と世界のためのキーワードがちりばめられていて楽しかったです。
小説あるいは言葉にささげられた物語という感じで、個人的には語り口は古川日出男の『ベルカ、吠えないのか?』あるいは円城塔『Self-Reference ENGINE』みたいで、内容は物語が世界紡ぐ感じだったので神林長平を彷彿した。でも、なんとなくマルチン・ブーバーの『対話』っぽい感じもあった。
ミステリは脈絡のない事象が迷路にように綴られた世界が、最後の一瞬できれいに構造の中に収まるようになっている(そうでないものもあるけど)。本書は、そんな感じにも思えた。
内容について説明しようと思ったけど、おそらくうまく伝わらないと思うので、気になった方は読んでみてください(無責任)。
最後にこの内容をマジック・リアリズムで読んでみたいと思った。
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