あの緻密な塔に一目惚れ
それを見て、行きたいと思ったのがいつが始まりだったかと言われてもとうに思い出せないくらい、昔から、一度は行ってみたい場所である。それはおそらく建築されたころから有名で話題性があって、それでいてあまりの緻密さに今も完成していない建物、そう、サクラダファミリアだ。
あの壮大な塔を戴く建物が何なのかを知ったのはわりに最近で、私はずっとあれを建築中のビルか建築中のマンションだと思っていた。今風に言えばデザイナーズマンションというべきか。ガウディは住居デザインもしているので、あながち間違いではなかったのかもしれない。
未完成であると言うことが余計に「今しか無い風貌」を見れると期待してしまう要因かもしれない。完成された物は変化がないが、未完成のものは、これから先もずっと完成に向けて変化していくのだから、今日の一枚は明日の一枚にはならない。――と、へりくつを述べてみるが、実際のところ完成したって日々の太陽や風、鳥、雲、空、その全てが同じであるわけがないので、まあ、ただただ気分の問題と言って仕舞えばそれまでである。
そんなわけで、いつかサクラダファミリアを見てみたい、と私は言い続けている。コロナが流行る前も、流行っている今もだ。どうかコロナや世界情勢が落ち着いた時、私がまた「いつか」と言い出さないよう、今から虎視眈々とそのチャンスを狙っていようと思う。