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【レビュー】『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』
ほとんど本を読んでこなかった人間がポツポツ読書を始めました。
そんな人間によるレビューです。カナリ個人的で的外れな内容もあるかと思いますので、その点ははじめにお断りしておきたいと思います…。
(読書記録も兼ねている為、ネタバレを含みます。お気をつけ下さい)
『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』
喜多川 泰 著 サンマーク出版 2010/11/18
●この本について
泣ける本とはまた違う、人間力が上がる感動作。
●あらすじ
一つの嘘から始まった、出会いと別れの物語。
●レビュー
★★★★★(星5つ)
オーディオブックにて2日間で読了。
立て続けに喜多川さんの著書を読んでいるけれど、これもまた良い話!
「ディズニーランドに行ったことがある」という1つの嘘から始まる、今の時代には珍しい素敵な旅の物語。
今の時代、失いつつある大切なものを取り戻す心温まる旅の話
●真似したい点
・人の温かさ、人間味を色濃く感じる
・人との関わりの大切さを説く話
・定期的に読む本に位置付けたくなる内容
●う〜んな点
・後半の一部、ほんの少し失速したような気が…
●感想・気付き
今の自分も完全に失ってるわ…と現実を突きつけられる作品。何を失っているかというと、人との関わり。
この本が書かれた2010年ですら、以前よりは人との関わりが希薄な時代だったのかもしれない。しかし、年々人との関わりは希薄になっていっていると感じる。
そんな中、この話を読んで、自分は果たして人生の中でどれだけの人と関わり、何をどこまで吸収できるのだろうか、誰のために何をどこまでできるだろうかと考えさせられた一冊。
主人公の旅を見守る母親の立場としても、読んでいて心に刺さることだらけだった。
痛いところがいっぱい…。
私の幼い頃は今ほど人との関わりは希薄ではなかった。
もっと近所のおじさんに注意されたし、見知らぬおばさんに話しかけられたし、そのことに対して反応することをためらったりはしなかった。
しかし、今はどうだろう。
隣の見知らぬ人は安全な人だろうか?危害を加えられないだろうか?と怯えては、関わらない方法・関わらない状況を必死に選ぶ。
話しかけてきた時点で変な人扱いする状況すらあるように思う。
人助けや世の為・人の為と思って手を差し伸べたくても無条件に、おいそれとは行えない状況すらあると思う。
『時代』が違うといってしまえばそれまで。
そうなるまでの理由があり、それらを目の当たりにしながら変化していく中で生きてきたから、そうなった背景・理由もわかるし、自分もそう変化してしまった一人だけれど…それは悲しい変化だと言わざるを得ない。
この本を読んで、いつ失ったのか気付いてもいない大切なものに今一度気付かされ、取り戻したいと思った。
(主人公と同じような旅は出来ないけれど…)
今の人達には欠けてしまっている、人との関わりの大切さ、日本人らしいおもてなしや奉仕の精神などの良い習慣・考え方を今一度取り戻したいと気付かせてくれたので、星5つ!