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本間正人、松瀬理保「セルフ・コーチング入門〈第2版〉」

・本書は、教育学を超える「学習学」の提唱者として幅広いテーマで活躍する本間正人氏と、「感動職場創造」「次世代リーダー育成」「ダイバーシティ」などの研修講師として活躍する松瀬理保氏の2名が、心の中にコーチをもち、自分と対話しながら問題を解決し、目標達成を目指す「セルフ・コーチング」の概要ならびに実施方法について解説した1冊。

・「セルフ・コーチング」=自分自身をコーチングすること。
・セルフコーチングは、くよくよと思い悩むのではなく、システマティックに内省し、建設的に考える習慣であり、こころの中に、もう一人の自分、コーチを持つことが可能になる。

・「セルフ・コーチング」の核心は、「自分に問いかける力」であり、どんな質問を発信するかによって、答えの方向性が変わってくる。つまり、「質問が問題を規定する」のだ。
・「セルフ・コーチング」と似たものに、問題解決能力があるが、こちらは、「与えられた問いに対して答えを見つける」というもので、「そほ問題にいかに解決するか」に主眼が置かれると言えるかもしれないと著者は語る。
・また、問題解決能力は、「問題の存在」を前提にしており、何らかの「問題」(うまくいってないこと・困りごとなど)を解決しなければならないというのが、問題解決の発想である。つまり、マイナスをゼロに戻そうとするのが、問題解決の典型的なアプローチと言えるだろう。
・「セルフ・コーチング」の場合、問題の解決を目指さないわけではないが、それに限らず、目標達成や望ましい状況を創出すること、つまり、プラスを増やすことに力点を置く。

・「セルフ・コーチング」のメリットとして、
①自分を一番知っている
②いつでもどこでもできる
③人に全部話さなくていい
④論理飛躍もOK
⑤守秘義務がない
⑥人間関係の心配がない
⑦無料で実施できる
がある。
・⑤の「守秘義務はない」は、誰にも秘密を知られる必要がない、ということである。
・自分だけの胸に秘めておきたいことは、自分の胸に留めておけばよいからだ。
ただし、他の誰かに話を聞いてもらい、共感してもらって、気分がすっきりするという効果は手に入らない。
・本書では、「自分自身をコーチングしてみよう」「陥りやすい五つの思案の罠」「セルフ・コーチングのアプローチ「WISDOM」モデル」「ケーススタディ」「自分を見つめるワークシート」という章で構成されており、「セルフ・コーチングのメリット」「セルフ・コーチングで注意すること」「セルフ・コーチングの事例(希望が叶わず落ち込んでいる新入社員・わがままな客と理解のない上司の間で板ばさみになるメーカーの営業職」「セルフ・コーチングの基本に関するQ&A」など、自分と向き合い、対話する「セルフ・コーチング」の概要ならびに事例が紹介されている。

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