田中孝太郎「やらせない、教えない、無理強いしない 天才キッズクラブ式 最高の教育」
・本書は、神奈川県を中心に大阪など、17の保育園と学童施設を運営する著者が、子どもを強制することなく、天才性を引き出す方法について余すことなく紹介した1冊。
・いま、日本の教育に欠けているものは、「自己肯定感」と、子どもたち一人ひとりの「生きる力」である。なかでも子どもたちの自己肯定感の低さは、社会的な問題になっている。
・自己肯定感の低い子どもたちが多くなっている理由は、子どもたちが「心からやりたいこと」ではなく、親や先生から求められていることを「やらされて」育ってきているから。「やらせない、教えない、無理強いしない」からこそ、子どもは自然と伸びるのだ。
・子どもは、大人が思っている以上に、自分が置かれている環境からたくさんのことを学ぶ。著者自身も、小さい頃から算数の計算が得意な子どもであったが、それは実家が商売をしていたという環境が大きかったからである。家庭が子どもを育て、環境が才能を開花させるのだ。
・子どもは急速な成長を見せるが、そのなかでもとくに著しく成長するのが0歳から6歳までの間である。この時期は脳の成長が活発になるため、よりいろいろ刺激を与えてあげると、子どもは本来持っている能力を大きく開花させていく。そのときに必要なことは、子どもの「知りたい」という気持ちである。これがある子は、自分からものごとを探究し、考える力、つまり「知能」がついていく。
※知能の身につけ方についての詳細は、本書をご覧ください。
・子どもはかならず、名前で呼んであげること。理由は、子どもは自分の名前を呼んでもらうことで、「先生は僕のこと、私のことをちゃんと見てくれている」と感じるから。
・名前は、子どもにとって重要なアイデンティティである。人は誰でも自分の名前に愛着があるもの。名前を呼んで話しかけてもらうことで、、「自分の存在を認め、大切にしてくれている」と感じるのだ。
・子どもの「やる気スイッチ」を高めるためのポイントは、
①子どもは競争したがる
②子どもは真似したがる
③子どもはちょっとだけ難しいことをやりたがる
④子どもは認められたがる
の4つ。そして、名前を呼んで声をかけることで、さらにやる気がオンになるのだ。
・本書では、「子どもの可能性が無限に伸びる!覚えておきたい、教育の基礎基本」「読解力、思考力、語彙力、記憶力……子どもの天才性を引き出す学習法」「逆立ち歩き、マラソン……子どもの身体能力を劇的に伸ばす運動法」「感情や情緒を育み、創造性が伸びていく!「情操教育」のテクニック」「天才キッズクラブ式教育を、家庭で確実に実践する習慣」という章で構成されており、「子どもが「臨機応変力」を身につける秘訣」「苦手な子にはこっそりとハンデをあげて、得意な子には難易度を上げる」「届かなかった目標にチャレンジする心を育む方法」「落ちこぼれの子をつくらない「声がけ」の魔法」など、子どもの無限の可能性を広げるための方法が紹介された内容となっている。
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