高橋伸典「退職後の不安を取り除く定年1年目の教科書」
・本書は、セカンドキャリアに自信を持たせる研修講師として5,000人の受講者に明るい未来と希望を与え、行動変容につなげてきた著者が、老後の3大リスクと言われる「仕事・お金、孤独、健康」を乗り越えていけるように案内した1冊。
・シニアが好印象を持たれるポイントは、上から目線をやめ、人から学ぼうという謙虚な気持ちであること。会社にいるときは会社のルールで上下関係があるから成り立っているが、定年を迎えそのルールが無くなると、誰に対しても対等の人間関係にリセットされる。
・その時に何が必要になってくるかというと、「対等な立場で相手を見ることができるか」ということである。定年後はいったん自分をリセットして、新入社員の気持ちに戻り、すべてを学び直す気持ちでスタートすること。そうすると年齢、性別にかかわらず、いろいろな人から慕われるシニアになることが確実である。
・シニアが接する人は年下が多くなる。若い人からすると、年上というだけで、自分より優れていると思い、話しかけにくいもの。
・だから逆に、若い人に弱い自分を見せたり失敗談をすればいい。そうすれば話しやすくなり、若い人も安心する。どんどん弱みや失敗を見せれば、人気者のシニアになること請け合いである。
・人に関心を持って、積極的に質問することで、互いの関係性が深まる。相手に質問をする際、インタビューの手法が2つ紹介されている。ひとつは、「聞きたいテーマを伝え、じっくり聞きたいとインタビューのための時間をとつてもらう」。もうひとつは、「聞きたいことの中から一つだけピックアップして普段の何気ない時に聞いてみる。それを小出しにして何回かにわけて聞く」である。
※詳細については、本書をご覧ください。
・インタビューが終わってみると、今まで誤解していたことに気付けたり、感動することもたくさん聞けたりと、飛躍的に信頼関係が深まり、深い絆がうまれる。インタビューに至らなくても、人に関心を持ち、聞きたいことを質問する、これだけでも十分インタビューに近い効果は出てくる。人に関心を持たないことが一番良くないのだ。
・会社以外の名刺、つまりプライベートの名刺を作ることで大きく変わることがある。名刺を作ることで、
①会社以外の方に渡しやすくなる
②自分を知ってもらおうという気持ちが芽生える
③名刺を渡す機会が欲しくなる
④自分のことを知ってもらうきっかけになる
⑤簡単なプロフィールを書いておくと、見せるだけでわかってもらえる
⑥時間が無くても、後で自分のHPなどのリンク先を見てもらえる
などのメリットがある。
・名刺の作り方は実は簡単。スマホで「名刺作成」と検索すればいくつかの会社が出てくる。また、ある会社(ビスタプリント)の場合、約10分〜20分で作ることができ、100枚が、2,000円足らずと予想以上に簡単で安価に仕上がる。
・本書では、「しくじりからの逆転人生」「好印象を持たれる素敵なシニアになれる秘訣」「仕事・お金の不安を解消!」「孤独を解消!」「定年活動の先輩たちに学ぶ!」「定年活動の第一人者大江英樹さんに聞く」と章で構成されており、「著者が退職を決意したきっかけ」「リスクなく独立する方法」「生涯現役が可能な道とは?」「ネットワークの作り方」など、定年後を快適に過ごすためのToDoが紹介された内容となっている。
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