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後藤宗明「自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング」

・本書は、日本で初めて、「新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、そして新しい業務や職業に就くこと」を指す「リスキリング」に特化した非営利団体を設立し、政府、自治体向けの、政策提言および企業向けのリスキリング導入支援を行う著者が、リスキリングの概要ならびに、リスキリングの導入、実践方法について解説した1冊。

・諸外国ではリスキリングを「全く異なる業務を行うためち必要な新しいスキルを獲得するプロセスのこと」と定義している。
・リスキリングと似た言葉で、「アップスキリング」「アウトスキリング」がある。この3つの概要をまとめると、

リスキリング
新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、そして新しい業務や職業に就くこと

アップスキリング
現在の職務の専門性をさらに向上させるために新しいスキルを獲得すること

アウトスキリング
会社が、人員整理の対象となった従業員に対して、退職前にリスキリングの機会を用意する支援策のこと

になる。

また、本書では、リスキリングはリカレント教育と比較されているが、この2つは以下の違いがある。

1 背景の違い
リカレント教育は、人生100年時代の生涯学習の一環として、急速に注目を集めたものであり、リスキリングは、技術的失業、テクノロジーが人間の労働を代替する社会問題の解決策として注目されているものである。

2 目的の違い
リカレント教育は、「学び直し」そのものが目的かつ、職業と関係ない学びも含む。
リスキリングは、新しい職業に就くことを目的としているため、職業に直結するスキル習得を指す。
※リカレント教育とリスキリングの違いについて「実施責任の違い」「講座提供者の違い」も記載されているが、詳細は本書をお読みください。

・これから新しくリスキリングを始める人は、ほとんどが「何を始めたら良いかわからない」状態からのスタートだと思う。
・そのため、リスキリングの計画を立てる前に、自分の現在の立ち位置を冷静に振り返り、情報収集を行い、おおまかなリスキリングの方向性をゆるく捉えることができるとよいと考えている。
・リスキリングを実践するプロセスのひとつに「現状評価」がある。リスキリングに取り組む前に、まず自分自身の現状に対する評価を行い、リスキリング開始前のありのままの気持ちや状態を冷静に把握すること。
・具体的には、
◇自分の現在の興味関心
◇自分の解決したい課題
◇自分の強み、好き嫌い
◇自分の今までのキャリア
◇自分の持っているスキル
◇組織における自分に対する評価
という6つを確認し、自身を観察することを本書ではおすすめしている。
※↑の6つを踏まえたうえで、どのように進めていけばよいかについての詳細は、本書をお読みください。

・本書では、「なぜリスキリングする必要があるのか」「リスキリングする方法」「リスキリングを実践する10のプロセス」「リスキリングと「スキルベース採用」の時代の到来」「リスキリングによるキャリアアップと人材の流動化」「AIやロボットが同僚になる新たな時代に向けて」という章で構成されており、「リスキリングとはどういったものであるか、リスキリングの導入方法ならびに実践方法、日本や海外、形態(会社員〈大企業・中小企業〉・個人事業主など)、2030年に必要となるスキル、リスキリングとキャリアアップの関係など、これからの時代を生き抜くための「リスキリング」について紹介した内容となっている。

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