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小高千枝「本当の自分を見失いかけている人に知ってほしい インポスター症候群」

・本書は、同世代の女性の気持ちに寄り添うカウンセリングを中心に、メンタルケアの分野の幅を広げ、多くの女性が悩むテーマ(男女関係、モラルハラスメント、DVなど)の個人カウンセリング、企業における自己実現やセルフマネジメントのサポートなどを行う著者が、「自分の能力や実績を認めることができず、周りから評価されることに対して、騙しているように感じてしまう心理状態」である『インポスター症候群』について解説した1冊。

・インポスター(imposter)は、"詐欺師"や"偽物"などと訳されるため、インポスター症候群は"詐欺師症候群"や"ペテン師症候群"などと言われることもある。
・インポスター症候群に陥ると、「人を騙してしまうような気持ち」になってしまう。なぜそのように感じてしまうかというと、簡単に言ってしまえば、自分に自信が持てなかったり、自分を過小評価してしまったりするからだ。
・自己評価と他者評価のギャップに苦しめば、インポスター症候群に陥ってしまうことになる。その際、実際本人にどのくらい実力や能力があるかは関係ない。
・インポスター症候群に陥るかどうかは、あくまで「自分がどう感じるか」なのだ。
・いくら客観的に見て本物の力があったとしても、本人が自分のことを評価できず、自信が持てなければ「過大評価されている」「この成功は自分の実力でつかんだものではない」といった気持ちを抱いてしまうことになる。
・そうして、「本当の自分は違う」「周りの人を騙しているみたい」と心苦しく感じてしまうのだ。
※インポスター症候群の概要(初めて提唱された時期・インポスター症候群を経験する人の確率など)については、本書をお読みください。

・SNSを使って有名になることで、インポスター症候群に陥りやすくなる。理由としては、
◇一気に有名になる
◇偽りの自分を演じ続けなければならない
◇リアルな自分とのギャップが自分を否定的にしてしまう
◇人気を維持しようと必死になっているうちに自分を見失う
などが本書で挙げられている。
・ありのままの自分を発信して人気を得られればいいが、注目を集めたいがために、SNS上で本当の自分と違う自分を演じてしまうことも、珍しいことではない。
・偽りの姿で発信し続けると、そそ偽りの姿しか知らない人は、偽りの自分を本当の自分と思って接してくる。
・人気が大きくなればなるほど、手放すことが難しくなる。そうなると、自分ひとりでの問題ではなくなってしまい、内心では「全然違う!」と思っても、演技を続けていかざるを得ないわけである。
・無理を続けていると、心がどんどん疲れていく。目の前のコンテンツを仕上げることに追われていると、止めるタイミングもわからなくなっていく。
・そうして、心がクタクタに疲れてしまっても、SNSでは笑顔で幸せそうな自分を演じ続け、そんなことが続いていくうちに、
◇「もう、どうしていいかわからない……」
◇「いつまでこんなことを続けるんだろう……」
という心境になってしまうのだ。
※SNSによってインポスター症候群に陥りやすくなる理由の詳細は本書をお読みください。

・本書では、「インポスター症候群の理解」「インポスター症候群の克服」という2部で構成されており、「インポスター症候群の概要(事例・状態・海外の現状など)」「SNSがインポスター症候群に大きく影響する理由」「インポスター症候群に陥ってしまったときの対処法・克服するための道」「インポスター症候群の人との接し方」といったSNS全盛の今の時代だからこそ知っておきたい「インポスター症候群」について詳しく書かれた内容となっている。

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