中曽根陽子「成功する子は「やりたいこと」を見つけている 子どもの「探究力」の育て方」
・本書は、教育ジャーナリストとして、紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆する傍ら、海外の教育視察も行う著者が、教育界でも注目される「探究力」の育て方を科学的エビデンスと膨大な取材から導き、まとめた1冊。
・これからは、教育熱心な家庭の子どもほど伸び悩む。なぜなら、子どもの幸せな将来のために、「できるだけのことをしてあげる」のが親の役割だと多くの人が思っているから。
◇「手遅れ」にならないように、できるだけ情報収集をして、受験でも習いごとでも、早めに手を打とうと思っている
◇子どもの選択肢を増やすために、習いごとはできるだけ多くやっている
◇イタズラをしたら、しつけのためにすぐに叱っている
という日々、子どもに多くのことを「してあげている」方が、多いのではないかと著者は考えている。
・実は、時間やお金、労力をかけて、頑張ってやっているこれらが、「子どもの成長や可能性の芽を潰している」ことにつながるかもしれない。
・これからの時代、「言われたことをきちんとこなせること」より、「自分で考えて選択していくこと」が重要になってくるのだ。
・時代が大きく変化している今、「やりたいこと」を見つけられるか、見つけられないかで、人生の方向は大きく変わる。
・ただ、この「やりたいこと」は、多くの場合、そう簡単に見つからない。
・それを見つけるために必要なのが、「探究力」である。探究力とは、自ら問いを立てて考え行動し、自分なりの答えを見つけていく力である。
・この探究力を育てることが、子どもの幸せな一生にとって何より重要なのだ。
・今は自分がワクワクして取り組めること、本当にやりたいことがある人にとっては、可能性にあふれた時代になってきた。
・これまでは、社会に出てからも、組織に従順で、指示されたことをきちんとできる人が重宝されてきたので、それでよかったかもしれない。
・しかし、入試や就職試験でもら「あなたはどう考えるのですか」「あなたはどうしたいのですか」ということが問われ、指示通りに動ける人ではなく、自分の意見をしっかり言える人が評価されるようになってきている。
・つまり、社会でも「他人軸」ではなく、「自分軸」が求められるように変わっているのだ。
・自分らしくいきいきと生きるためには、子ども自身が「自分は何が好きで、何がしたくて、何ができるのか」を探していくこと、つまり、自分にとっての「生きがい」を見つけていくことが欠かせない。
・そして、それを見つけるプロセスこそが「探究」なのだ。
※子ども時代に、探究力を育てたほうがいい理由ならびに、「幸せになれる子どもとは」についても述べられているが、詳細は本書をお読みください。
・本書は、「これからを幸せに生きるカギは『探究力』にある」「探究力がある子の親がしていたこと、していなかったこと」「自ら『好き』を見つける子になる『焦らない育て方』」「"やりたい!"が育ち、やり抜けるようになる『決めつけない育て方』」「自分で考え、動ける子になる『コントロールしない育て方』」という章で構成されており、
◇学校は勉強大嫌いの小学生が、大ヒット化学ゲームをつくれたワケ
◇探究力がある子の親に共通していた3つのこと
◇じょうぶな脳を育てるコツは「〇〇を守る」こと
◇やりたいことを実現する力は、〇〇から生まれる
など、これからの未来を生きる子どもたちが、幸せに自立するために、親や大人ができることがまとめられた内容が収録されている。
正直、読むのが辛かったです。なぜなら、私自身が親に冒頭に紹介した「できるだけのことをしてあげられた」経験があったので。
子育てをされる親御さん、教育に関わる方々は必読です。
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